もしかして俺って臭い&汚いの?(イエス)
プシャ!プシャシャ!
危機から脱(糞)したことにより、俺は冷静な思考を取り戻した。
カラカラカラカラ・・
(そういえば・・元カノの置き土産ってなかったっけ?)
俺はトイレットペーパーを手先に巻きつけながら考える。
よくよく考えると元カノとはわずか2か月ほどの付き合い。元カノの魚女がウチに来たことは数回しかない。
だから他人が見て「彼女のもの」と一目でわかるようなものなんてないと断言できる。
心当たりがあるとすればほとんど使われていないままの新しいシャンプーとコンディショナーくらいだ。
ここら辺は、
「ハゲててもたまにはコンディショナーが恋しくなるんだお♪」
とオチャメに言っておけばいいだろう。
女性関係で起こる修羅場を人並みにくぐって来たわりに危機管理能力のなさは相変わらずだ。
安心して巻き取ったペーパーで肛門をふき取る。そしてズボンを履いた。
「あっ・・ヤベ・・もう一回来た・・。」
下痢あるあるである。
「ごめーん!お待たせ~♪」
部屋に戻ると衛生女はニ○リで買ったソファに腰掛けている。彼女の横に俺は腰掛ける。
「いやあ危なかった。ギリギリセーフ!」
衛「もう!お腹大丈夫?」
「まだ奥の方でくすぶってる感はあるね。」
衛「残念なお腹ちゃん。」
そう言って下腹をさすってくれる衛生女。
「おお・・気持ちいい。でも、もうちょっと・・下のほう?」
衛「やっぱりバカだねえw」
「それは自分がよくわかってる。てか・・なんか飲む?水かビールか焼酎しかないけど。」
鬼気迫りすぎてコンビニに立ち寄る余裕もなかった。
衛「じゃあビールもらおっかな。」
冷蔵庫からビールを二本もってくる。そして乾杯。
俺は飲み口に唇を付けるだけで、すぐに缶をテーブルに置いた。
その横で彼女はあごを上げてゴクゴクと勢いよく飲んでいる。
彼女の波打つ喉と白いうなじがビールなんかよりもよっぽど美味しそうだ。
なんだか急にムラムラとしてきて、俺は彼女に肩を腕を回す。
衛「わっ!何?何?なに?」
「えっ?なにってなによ?」
そう言いながら彼女に顔を近づけていく。逃がさねえぜ。
ここら辺が俺のムード力が足りないという所以であろう。
衛生女の視線が鼻先から口の辺りに移動する。
そしてゆっくりと瞳を閉じていく。
その視線がなんともセクシーだ。
衛「ん・・」
唇を合わせると小さい吐息が漏れた。
(おっ・・久しぶりだな。)
ずいぶん使われていない息子からの心の声が聞こえた。
衛生女の首筋にキス。化粧品の匂いがした。
そして本日、散々にビールを流し込んできた喉の辺りにもキスを繰り返す。
次は彼女の上着に手をやり、豊満な胸を優しく愛撫する。
ここで彼女の力が少しずつ抜けていく・・・はずだった。
衛「ちょっとストーっぷ!」
「え?なぜに?」
ここまで来て「付き合ってないからエッチさせない」とか野暮なことは言わないよね?
衛「お風呂・・」
おお・・そこは乙女でしたね。気が利かなくてごめんよ。
衛「お風呂入ってほしい。」
「え?俺が?もしや臭い?」
衛「そうじゃないけど・・アレしたばっかりだし。」
さすが歯科衛生士、職業名にもついているように「衛生面」にはとても厳しい。
きっと彼女には俺の顔がウ○コに見えているのだろう・・
※彼女は「口内細菌ってめっちゃ多いだからね!」という理由でお口でするのはNGなのです。
「わかった・・。」
衛「なんかごめんね。」
俺はダメージを受けながら洗面所へと向かう。
「あれ・・?タオルが一枚しかない。」
洗濯をさぼった一人暮らしの末路である。
衛生面に厳しい彼女に俺の使った濡れタオルを使わせる事はできない。
「すまん!タオル一枚しかないから・・一緒に入ろうぜ。」
洗濯ミスがポジティブに動くこともあるのだ。
ーーーつづくーーー
フェイントでオイラのデカ尻です。(スマン)