彼女が「痩せた」理由とは?
三ヶ月ぶりに会った筑紫女はガリガリにやせ細っていた。まさに「骨皮筋衛門」でござる。
「ちょ・・ちょ!めっちゃ痩せとるやん!大丈夫?」
気になってしょうがなかったので、注文するのも忘れて俺は理由を聞いた。
筑「実は・・先月の始めにお腹がものすごく痛くなった時があって病院に行ったんですよ。」
「え?・・ヤバい病気?」
筑「それで病院で調べてもらったら胃潰瘍になってて・・、しばらく満足にご飯食べれなくて・・気がついたら6キロも痩せちゃいました。」
それでここまで変わってしまったのか・・。元々痩せている人の「6キロ」は大きいことを知る。
筑「治った後も、ピロリ菌の検査とかピロリ菌を無くす処置とかもあって、先月はほんんどお酒飲めなくて・・」
「うわあ・・そりゃ災難だったね。もう大丈夫なの?焼肉とか・・お酒とかイッちゃっていいの?」
筑「今はもう大丈夫ですよ。もともとガツガツ食べるほうじゃないから。友達とかにめっちゃ心配されるんで少しでも元に戻さないと・・胸も小さくなっちゃったし・・。でもお酒は控えめにしないとですね。」
彼女はもともと「ちっぱい(小さいオッパイ)」なので、さらに小さくなるとまな板レベルということだろうか?・・気になる。
「そっかあ・・胃潰瘍になった原因にストレスもあったのかな?」
筑「うん・・。仕事が凄く忙しくて・・出張先で外食ばかりだから食べてるもののバランスも良くなかったのかも?・・後は彼氏とのことですね。」
そかそか・・出張の多い仕事だしね・・。
・・んん?今なんつった?・・・彼氏?
「ちょ!彼氏できちゃったの?」
筑「そりゃもう、YUさんに振られてからスグですよw」
俺のせいで「胃潰瘍になったの?」とか一瞬でも思った自分が恥ずかしい。やっぱり女ってやつは行動が早いぜ。
「ど、どんな人?」
筑「地元の同じ歳の人です。学生時代からの知り合いで・・長い間ずっと私に好意を持ってくれてたみたい。」
良い子だしやっぱりモテるんだろうなあ・・。
「そ、そっかあ!良かったね。今日はお祝いせねば。」
ここでようやくお酒とお肉の注文。
まずはワインで乾杯。
力飯店は「赤身肉」がウリの焼肉屋で、店員さんが焼き方を細かく教えてくれながら食べる。
「うん!旨い!」
衛「ほんとさっぱりしてて上品!」
たまにはこういう「塩で食う系」の上品な食い方もいい。
でも本当は濃いめのタレで味が付いたお肉をご飯にワンバウンドさせる食うのが好きである。
「モグモグ・・じゃあ彼氏とはうまくいってるんだね。今はラブラブ期なんじゃない?」
筑紫女をフッてまで付き合った「元カノ」とはラブラブ期も来ることなく一瞬でフラれた。それが遠い昔のように思える。
筑「そうなんですけど・・それがいろいろあって・・悩んでるんです。」
そう言って彼女はワイングラスをくいっと傾けると深いため息をつくのだった。
続く➡迫られる「結婚の決断」