なにもかもが幸せですね。
タヌキ女との初めて結ばれて、一週間が過ぎたころ。彼女は今日も家に泊まりに来ている。休みの日はほとんど二人で過ごしている。
タ「YUちゃん大好き!」
「俺も愛してるぜえ!」
耳元で愛をささやきながら、腕枕で愛を語らう、ようやく僕たちは本当のラブラブなカップルに慣れた気がするんだ・・。
彼女のマンコー先生もようやくYUTAROを受け入れる気になったのか、「バック」の体位以外は彼女も痛いと言わなくなった。
彼女の初心者っぽいフェラチオや乳首舐めはまだまだぎこちない。まるで初めて、チュッパチャップスを口に含んだ時のそれに似ている。(覚えてないけど)
しかし、ぎこちないがゆえに、なぜか僕の乳首は敏感に反応するんだ。
セックスビギナーとはどうやら価値があるもののようだ(童貞には価値ないけど)
うふふ・・僕たち心でつながっているね。この調子、その調子。セックスの息が合い始めると要求も高まってくる。
YUTAROは愛用のノートパソコンを開くと、コスプレの通販サイトへと向かった。
「ねえねえ・・このコスプレどうよ?秘書だってさ・・」
タ「えーコスプレするの?YUちゃんが?何に使うの?」
「なんか楽しそうじゃない?エッチの時に使うの。ちなみに俺が着るわけじゃなくてタヌキが着るんだよ。」
タ「私が着るの?やっぱり思った通りの変態だね~!」
「褒め言葉ありがとうございます。さて・・これをカートに入れて・・と」
タ「即決じゃん!」
「次はこれ・・ハンディマッサージ器」
タ「え?なんに使うの?こんなの?」
「それは秘密!次回のお楽しみ!カートに入れまして・・」
コスプレ二着とハンディマッサージ器(電マ)を通販で購入。来週会うときには届いているはずだろう。楽しみで仕方がない。
そうやって恋人達は変態度が加速していくものなのである。(自論)
ウブな彼女が一年後に変態になっている姿を想像するだけで、白飯3杯はいける興奮ものである。
「さて、ご飯にしましょうかね。」
タ「うん、作るね✩」
タヌキ女は布団から出ると、服を身につけて、エプロンをつけて・・台所に立つ。
裸にエプロンもいいなあ・・。
冷蔵庫から発泡酒をとりだし、後ろ姿の彼女を見て思う。
テレビを見ながら杯を傾けていると、
「おまたせ~。」と夕飯をお盆に載せて小さなテーブルに持ってくる。
今日は焼き魚と野菜の味噌炒め&ご飯と味噌汁。
質素な食事だが、連日レトルトカレーや卵かけご飯(納豆入り)ばかり食っているYUTAROとしては栄養満点のご馳走だ。
・・こりゃ結婚あるかもなあ。・・同棲はまだ早いかなあ・・?
幸せな気分で飯にありつく。
でも、やっぱり白飯と発泡酒はあんまり合わないわ。
・・・・・!!!
突然訪れる謎の腹痛
「???!ぐぬぬ・・!?」
突如、腹痛と冷や汗がYUTAROを襲う!
「ぐうううう!いてて!」
タ「どうしたの?YUちゃん!魚の骨刺さった!?」
「いや・・なんかお腹が痛くて・・。」
タ「魚悪くなってた?トイレ行っておいでよ・・。」
「なんかそういうのじゃないかも・・胃がぎゅううっと締めつけられる感じ?・・ぐぬぬぬ痛え!」
タ「マジで?大丈夫?お医者さん行く?」
「いや・・大丈夫・・ちょっと楽になってきた・・。」
突然に痛みは30秒ほどで落ち着いた。
でも、その日はずっとチクチクと違和感がある。
「こりゃ・・ちょっと医者で見てもらったほうがええかな・・。20代の前半からずっと健康診断とかしてないしなあ~。」
翌日、YUTAROは個人のクリニックに電話をして胃を見てもらうことにした。
もしかしたらあの胃の痛みは未来の俺からのメッセージだったのかもしれない。
YUTARO人生初の胃カメラ検診を受ける
YUTAROは時計台に近くに存在している。胃の検査をうけるためだ。
病院なんて歯医者に歯石とタバコのヤニ取りに行くだけで、滅多に行かない。
子供の頃に大病にかかったYUTAROは、一年以上入退院を繰り返していたらしく(全く記憶にない)
病院特有のあの消毒の匂いがトラウマだ。病院に行くとなにかされる・・という飼い犬のような思考が深層心理の中に染み付いているらしい。
綺麗な受付のお姉さんに健康保険証を出して、
「予約した、YUTAROです。初めてです~」と言う。
差し出されたアンケートのようなものを書いたら、名前を呼ばれるまで待つわけだ。
ビジネス街だけあって、マスクをしたサラリーマンや若い女性が時折咳こんでいる。
看護師さんに名前を呼ばれると、診察室に案内された。
扉をあけると、「こちらに座ってください」と言われる。若い先生(男)が今日のお相手なわけだ。
「胃の調子が悪いんです~」
医者「そうですか、どのくらいからそんな感じですか~?」
「数日前から、なんか胃に違和感があるんですう~」
医者「お酒とか暴飲暴食の心あたりは?」
「心あたりありまくりですう~」
上半身を脱がされ、聴診器を当てられながらのやりとり。
医者「それじゃあ、とりあえず、胃カメラ飲んでみます?原因が一発でわかりますんで」
「胃カメラ・・苦しくないですか?」
ヘタレなオレはそんなところばかり気になるわけだ。
医者「今は医療技術の進歩でカメラもチューブ小さくなって以前よりも苦しまずに検査できるんですよ~」
「苦しくないならじゃあ・・お願いしちゃおっかな?」
医者「では胃の動きを鈍くする注射を打っておきますね~」
「へ!注射!?」
怯えながらも、サクっとそして事務的に注射を打たれるオレ。
医者「では準備ができたら呼びますんで、胃の動きを鈍くするこの薬(胃の内部をきれいにする奴)を飲んで待合室でお待ちあれ~」
ということで、急きょ胃カメラ検査をうけることになった。
初めての胃カメラ感想
しばらくして再び診察室に呼ばれる。一応食道の痛みを和らげる麻酔薬をスプレーされ、口が閉じないように謎の器具をつけられる。
医者「ではカメラ入れていきますねえ~このモニターにYUTAROさんの胃の中が映りますので一緒に見ていきましょう♪痛かったり苦しかったりしたら右手をあげてください~」
ぬるんとした感触と共に、体内に異物が入ってくるという違和感。
そして、地味な痛みと強烈な嘔吐感にさいなまれる。
「オェ!オエエエエオ!」
こりゃあ!イマラチオなんてもんじゃねえぞ!早速右手を上げるヘタレ男子。
先生「あ~ちょっと早く入れすぎましたねえ~ゆっくりいきますね~」
「オェエェオ!」(先生、全然苦しいままなんですけど・・右手上げる意味って・・)
なんだこの辛さは!マジでゲロが噴出しそうだぜ!てか麻酔とか薬の効果は本当にあったのだろうか?
と、とにかく苦しい。
これでカメラもチューブ?もかなり小さくなったというのだから、昔の胃カメラ検査は死者が出るレベルだったに違いない。
昔の人って本当に我慢強いわ・・。
その後もオエオェ言いながらカメラは進んで行く。胃の中は強烈な違和感。
医者「あ~けっこう胃壁が荒れてますねえ~モニター見えます?ここら辺赤くなってるでしょう~仕事大変ですか~?飲みすぎはダメですよ~」
「オエエエエっす!」(し死ぬ)
医者「あっ!発見~♪(ポリープ?)ここは十二指腸の手前ですね~。一応検査のために少し切除しますね~♪」
「エー!オェエー!」(エー!切除?)
医者「ちょっとチクッとしますよ~はい!」
問答無用で切除じゃねえか!ぐぬぬ!結構痛え!
うわ~カメラの中のオレ地味に血が出てるよ!先生!クラッ!
その後グロッキーなYUTAROは先生とハッピーな体内旅行をつづけるのだった。
30分後・・再び診察室。
医者「今日はご苦労様でした。細胞を検査した結果、ガンとかじゃありませんでしたので問題はありません。大丈夫です。」
「は、はひ・・よかった。」
医者「でも、結構胃が炎症起こしてる箇所があったので、胃薬を10日分だしておきますね~しばらく暴飲暴食は控えて、ストレスをためないようにしっかり睡眠もとってください。」
「は、はひ・・ありがとうございます。」
ということで、ガンでもなく、胃潰瘍でもなく、ただの胃炎と診断されたYUTAROなのだった。
でもこの年になるとやっぱりいろいろ体にガタが来るんだろうなあ~
健康診断なんて10年以上してないし、人間ドッグに入ったこともないし・・。
一度人間ドッグでも受けてみようかな・・簡単なのでいいから。
YUTAROはこの時、この罪深き体と一度徹底的に調べてもらうことを誓うのだった。