役者は揃った!飲み会開始!
ここは天神西通りにある「apartment501号室」。こ洒落たカジュアルイタリアンのお店である。
ダンディズムあふれる、ダン男先輩と合流した俺は、彼女達が訪れるのを今か今かと待っていた。
ダン男先輩は黙っていると怖い・・。
たいして仲良くもない俺達はタバコを吸いながら、世間話でなんとか間をつないでいた。
ビ「お待たせ♪」
そこにようやく姿を現したビッチのビチ女。
着ているのは光沢のあるワンピース。今日も彼女は派手な雰囲気を醸し出していた。
そしてもう一人・・。
「めっちゃ美人」と以前にビチ女が言っていた女性。
恐らく30代だろうか?ビチ女よりも年上に見える。
彼女も光沢のある高そうなワンピースを身にまとっていた。
スラッとした細身の体型。鼻筋が通った高い鼻。顔は正統派の美人である。
整っている分、少し魔女的な顔立ちだ。
芸能人に例えるならば「菜々緒」に似ている気がする。
そしてストレートで長い黒髪。俺の髪(1センチ)の50倍以上は長い。
彼女は20代前半では決して出せない、妖艶な色気と品をまとっている。
エスプレッソが良く似合いそうだ。
彼女も「ダン男先輩」や「ビチ女」と一緒で、押し黙っていると怖い印象を持たれるに違いない。
かなり美人ではあるが、話しかけづらそうで、少し苦手なタイプだ。
そんな彼女を「魔女子」と呼ぼう。
とにかく、このメンバ-の中で俺だけが浮いていた。(見た目的に・・)
ダン男先輩は無言でダンディのまま彼女達に会釈をした。
そして彼女達から見えない位置で、俺にこっそりと「グッド」サインを送っていた。
どうやら彼女達をお気に召したらしい。
「ささっ座って!飲み物は・・とりあえずビールでいい?」
さっそく幹事らしく振る舞う俺。
ビ「うーん。ビールよりもワインかなあ・・。」
「赤?白?」
ビ「赤が好き。魔女子さんもワインでいい?」
魔女「ワイン好きだけど・・ワタシ酔っぱらうよ?・・それでもいいなら。」
「え?」
ダン「え?」
魔女「しゃーない!今日は酔っぱらっちゃいまっか!!」
「え?」
ダン「え?」
「あの・・関西の人なんですか・・?」
魔女「ちゃうちゃう!いまウチの職場で流行ってんねん!んで話てるうちに抜けなくなってもうた!」
こんなところでエセ関西弁を聞くことになるとは・・。
それにしても・・て・・テンション高え・・。
なぜか一瞬だけ「久本雅美」に見えたのは、なんだったのだろうか?イタコかなんかか?
とにかく魔女的でミステリアスなキャラと決めつけていたせいか、ギャップに驚く俺とダン男先輩。
「あはは・・なんでやねーんってか。・・・い、いやあ楽しそうな人で良かった・・ね!ダンさん!」
ダン「お・・おう。」
これは強敵だ。
一刻も早く俺たちにアルコールを持ってきてくれ。