佐世保到着。車で来たから飲もう
「寒っ!なんだか潮風が冷たいぜえ?」
ロ「これって潮風?へえ~佐世保にも、海ばあるとやねえ。(訳:佐世保っていう所にも海があるんだね~、ロリ美はかなり訛ってるので、以下標準語ぽく行きます。知りたい人は筑後地方に行ってみましょう!)」
「おいおい・・佐世保と言ったら日本有数の港やで?自衛隊の佐世保基地とか、米軍基地とかもあるんだで?」
ロ「へえ~自衛隊とかあるんだ~でも自衛隊の人とか海に入るの?」
「え?海上自衛隊とかあるやん?海上だから船にのるやん?」
ロ「ふーん。(興味なし)」
(あっ・・この人そういう話てんで通用しないタイプ。)
「あっでも海が近いってことは、魚介類は美味しいはずだよ。」
ロ「わーい!お魚さん。」
(うーん・・大丈夫か?コイツ・・。)
海鮮が旨い「ささいずみ」・・が混んでて、チェーン店の雑魚屋へ
いつも佐世保に来た時は高確率で『ささいずみ』に行くのだが、今回は混んでいて入れなかった。
寒さに凍えながら二人はアーケードを歩く、これ以上のウロウロは彼女のテンションを下げかねない。
胃袋はすっかり海鮮モードになっていたので、『雑魚屋』というお店に入店。
雑魚屋は長崎、熊本、福岡、大分に店舗を構える新鮮な魚がウリのお店だ。
だから普通に福岡で食える。新鮮だけど新鮮味のないチョイスになってしまった。・・だって寒いんだもん。
「よーし!ここは奮発してイカの活き造りでも行っちゃう?」
ロ「えー!だめえ~イカだけは食べられないの。ごめんなさい。」
「え?そうなの?」
ロ「見た目がダメなの。ウネウネ系で・・」
ウネウネ系ってなんだよ。
「それなら仕方ないか・・。活き造りは?ピクピク系だけど。」
ロ「ピクピク系は大丈夫!」
うーん境界線がわかんない。とりあえず乗っとけ。
「飲み物は?」
ロ「えーっと。ウーロン茶にしようかな。」
「お酒・・飲んでもいいんだよ?」
ロ「だってYUちゃん運転だから・・悪いよ。」
「ええよ。ええのよ。」
ロ「いいの。じゃあビール飲もうかな。」
「じゃあビールとウーロン茶ね。」
とりあえず紳士をアピールしつつオーダー。
「乾杯!」
ロ「乾杯!運転ありがとう!」
つまみをウーロン茶で流しつつ、活き造りが到着。
珍しい魚を頼んだのでなんの活き造りだったか忘れた。
ロ「わー!ピクピクしてる!いただきます!わーコリコリしてる!」
(ピクピクにコリコリか・・エロいなあ・・。)
「僕も飲みたい。」だけど飲酒運転になる
ロ「ビール・・なくなっちゃった。」
戸惑った顔でロリ美が言う。もう一杯行きたいが、こちらに気を使っているのだろう。
「もっとお酒飲んでいいよ。」
ロ「え?いいの?じゃあおかわりしようかな。」
わざとらしくも可愛いヤツめ。それも作戦のうちよ!
「俺も飲みたいなあ・・。美味しそうだなあ・・ボソッ。」
ロ「え・・?」
「・・日本酒飲みたいなあ。飲みたいなあ・・。」
この先はクズな予感しかしない。
【確信犯】飲んでしまえば、彼女と泊まるしか無くなる。
「・・日本酒飲みたい。」
ロ「え・・?」
「ほら寒い中歩いたし、刺身とか食ったから体が冷えちまった。」
ロ「でも・・運転は帰れなくなっちゃうよ。」
「よし!今日は佐世保に泊まって行って明日帰ればええやん。・・ええやん?」
そう言ってロリ美に手を合わせる。
畳み掛けるようにホテルを予約!
ロ「いいけど・・。」
スキを見せたら負けだ。ここは一気に畳みかけるぞ!
「決まりだね!ちょっとじゃらん先輩に聞いてみるわ。お願い。熱燗頼んどいてw」
ロ「じゃらん先輩? わ、わかった。」
「あっお猪口は二つで!日本酒のむやろ?」
ということで、じゃらん先輩に、宿の空き状況を聞くべく、スマホを開く。
とりあえずビジネスホテル的な宿を探し、ダメならラブホだ。
運よくビジホが空いている。しっかりと佐世保を堪能できる(飲める)ようにチェックイン時間は午後11時頃にしておく。
ヤッた記憶が消えたとしても酒を飲む!
慣れた手つきで、手際よく宿を予約をしていると、タイミングよく熱燗が合流。
オッサンになると熱燗の旨さが良く分かる。
まだ子供の頃はこの匂いが苦手だった。お酒は20歳になってからである。
「ま!ま!一献どうぞ!」
トクトク・・。
ロ「YUちゃんもどうぞ~」
チビッ・・。
「くうううう!これこれ!五臓六腑に沁みるねえ!」
彼女に『オッサンベタ劇場』を披露する。
こういう事をウケると思ってやるようになると、いよいよオッサン化が進んでいることを実感する。
そろそろ得意気にオヤジギャグを言う、先輩方の気持ちも理解できるかもしれない。
『年寄り笑うな行く道じゃ』というヤツか。
ビールをすっとばしていきなり熱燗に行ったせいか、顔が急激に熱くなる。
(あっ・・今日酔う日だ。)
「さて・・次行こう次!佐世保を探検や!」
ロ「わーい!どんなとこ連れてってくれるの?」
「ふふっ宝物は・・二人で探そうぜ!」
ロ「???」
ダダ滑りしながらも、酒というヤツはやっぱり楽しい。
くだらないことで盛り上がってしまう。その記憶が明日には消えていたとしても。
その後、焼き鳥屋とバーをはしごするが、頭がボーッとして何を話したかは歯抜け状態でよく覚えていない。
その日はホテルにチェックインして、チュッチュして眠りにつくのだった。