親しみをこめて俺の名前を呼ぶ声。あぁ、懐かしい音だ。
彼女は可愛らしく、あざとく、無邪気な明るさを持っている。
育ちが良さから未だに敬語でしゃべってくる。そして実は結構エロい。
・・そんなキュートな福岡女子と久しぶりの再会。実に一年半ぶりだ。
YUTARO:この出会い系体験談を書いている人30歳(当時)。ガチの若ハゲ。出会い系の旅で福岡にやって来た。
筑紫女:ハッピーメールで出会った、本仮屋ユイカ似のOLさん。福岡県の筑紫野市に住んでいる。一年半ぶりに会うことになった。
一年半ぶりの再会がボクの人生を変える。
初めて会った頃の筑紫女は、まだ20代半ばだった。
(たぶん、2歳増えてるから・・あと2年で30歳か。)
今の彼女はどんな風に変わっているだろうか?
俺は微笑みを浮かべながら、声のする方向へ振り向いた。
筑「うわぁ!YUさんお久しぶりですね♪」
以前よりも大人びた服装や髪形が、あの頃にはなかった色気を醸し出している。
「おお・・なんか大人っぽくなっちゃって!色っぽくなったねえ!」
筑「ええ!そうですか?老けたってことですか?」
「違う違う!大人の色気が出てきたってこと!」
筑「えー!一生懸命否定するから余計怪しい!」
そういいながら、俺の手を握ってくる筑紫女。キュン・・。
筑「風邪・・治りましたか?」
「おかげさまで!ゼリーとかポカリありがとう!本当に助かったよ。」
筑「いえいえ・・じゃあさっそく再会を祝っちゃいましょ♪」
向かった先はジャスマックビルにある「うまえだ」という馬料理屋と鉄板料理のお店。(現在ジャスマックビルはパノラマスクエアなりました。うまえだも無くなりました。泣)
(ううむ・・いい尻だ。)
筑紫女のケツを眺めながら階段を上っていく。
店に入りカウンターに腰掛けた。熱々のおしぼりが少しだけホッとさせてくれる。
「お腹すいた・・喉がかわいた。」
筑「え!夜ご飯食べてないんですか?」
「うん・・飲まず食わずよ。」
俺たちは馬刺しの盛り合わせと、からし蓮根などのつまみを注文する。
筑紫女と久しぶりに会えた喜びも空腹には勝てない。
「それでは再会を祝して!乾杯!」
ビールがキュッと胃に染み渡る。
昨日の今頃は鹿児島にいたと思うと、なんだか遠い昔のように感じる。
忙しすぎる濃い一日だ。
ガツガツと馬刺しをほおばり、ビールを流し込むとあっという間に酔いが回った。
筑「YUさんてっきり結婚してるかと思いましたよ。連絡全然してくれないし・・」
「結婚・・か・・。」
心の奥がチクっと痛い。
この一年半の間に「妊娠」⇒「結婚破棄」のコンボを食らっていたとは彼女も思うまい。
考えると、「あの頃」に引き戻されそうで恐怖で体がこわばった。
筑「もう!やっぱり彼女ができてたんだ!」
「いや筑紫女も彼氏がいたわけだし。」
筑「オラオラの九州男児だったんですぐに別れちゃいましたけどね♪彼女どんな人だったんですか?教えてくださいよお♪」
「奔放な性格だったかな・・B型で・・そこらへんについていけなくて・・あっ・・涙が。」
筑「お~なんか色々あったんですね~。まあ、そのへんは私も大人なんで聞きませんけどw」
「あ、ありがとう。この話はもう無しで。」
筑紫女としゃべっているとホントに癒やされる。
こんな子が彼女になったら・・。一緒になれたら・・。
俺の人生も少しはマシになるだろうか?
もう一度福岡に住みたくなる。
「筑紫女がいるなら、福岡にもう一度住んじゃおうかな・・?」
筑「え?以前も福岡住んでたんですか?」
「三年くらい前に半年くらいね。」
筑「そうだったんですか~!どおりで妙に和んでるわけだ!この際、住んじゃいましょうよ!」
「・・そうしたいのは山々なんですが・・。」
札幌から名古屋に引っ越してまだ一年も経っていない。
なのに、スグ福岡に引っ越してもいいのだろうか?このブログのネタにはなりそうだけど。
筑「私、いい不動産屋さん知ってますよ!すごく親切で仲介料も安くしてくれるし・・家賃の交渉もしてくれるよ♪」
「へえ・・そうなんだ・・。」
筑「わたし明日休みなんで、一緒に物件見に行きましょうよ♪よ~し電話しちゃお!」
「え?・・もう時間も遅いし・・(この人グイグイ来るな)」
俺がそう言った時には、彼女は既に携帯を耳に当てていた。
彼女の強引さに話は思わぬ方向へ
流れ流され話は思わぬ方向へ。
筑紫女が不動産屋の知り合いを紹介してくれるという。
(これは・・マズイぞ。)
俺は優柔不断だ。
これ以上、彼女の親切や福岡の良さに触れてしまえば、割とマジでこの街に住んでしまう可能性がある。
筑「あっもしもし!筑紫女です!遅くにすいません♪はい・・はい・・この前はありがとうございました!」
(う、うむ?電話の先は男だろうか?)
俺は素知らぬ顔で聞き耳を立てるが、店に流れている音楽のせいかかすかにしか聞こえない。
筑「あはは・・すいません!ちょっと酔っぱらってます!いやちょっとどころじゃないかも?」
筑「あっ・・そうそう要件はですね!○○さんに物件案内して欲しくてですね。あの・・明日って大丈夫ですか?」
筑「えっと、男の人で名古屋から来てるんですけど、今度福岡に住みたいらしくて・・。不動産屋さんを紹介してほしいらしいです。」
(な、なぬ!話が一方的に進んどる!)
「住もうかな?」とは言ったけれど「住む」とは言ってないわけで・・。不動産屋を紹介してほしいなんて言ってないわけで・・。
筑「昼過ぎなら大丈夫ですか?・・やった!ありがとうございます。」
筑紫女がこちらにウインクしながら片手でOKサインを出した。
どうやら、明日不動産を見に行くことは「確定」したようだ。
筑「夜遅くに無理言ってすいません。じゃあ午後3時に春吉のローソンで!」
無言で数秒待つと、筑紫女は電話を切った。
電話を切るときのマナーはしっかりしているようだ。夜中にかけるのが一番マナー違反だけど。
筑「明日OKだって!YUさん良かったですね!」
「・・・う、うむ。てか○○さんって男の人?」
筑「え?男性ですけど・・あ~!やきもちですか?」
「ち、違うし・・。」
筑「それじゃあ男性恐怖症とかですか?それか人見知り?私もついてってあげるから、怖がらなくても大丈夫ですよ♪」
(・・どんだけ頼りない男と思われてるんだ。オイラは。)
とにかく、物件巡りをすることになってしまった。ある意味で新鮮なデートになりそうだ。
そして、この軽率な行動が俺の人生を大きく変えることになってしまうのだ。
今日はラブホでお泊り決定♡
「じゃあ今日は一緒にお泊りってわけですな!」
俺はそう言って白霧島の入ったグラスを筑紫女に差し出した。期待を込めて。
筑「えーどうしよっかな?」
「え、帰るの?もう終電もないんじゃ?」
筑「そうだなあ~じゃあ一緒に泊まりましょ!」
「わっしょーい!」
筑「ウフフ、明日一緒に物件みるんだもんね♡」
そういいながら、俺の腕にもたれかかる筑紫女。くう!技術派だ!
筑「ねえ、後でパンスト買ってもいいですか?」
「どうぞどうぞ!そのパンスト破かせてくださいね。」
筑「・・やっぱり変態のままだったんですね・・。」
「安心した?」
筑「悲しくなった。」
そうと決まればラブホテルに直行だ!
久しぶりに俺は彼女の引き締まった体に触れることができるのだ。