下関に戻ろっか?なぜかナビが山道へと誘導
角島での滞在時間が長かったせいか、時は既に夕暮れ。
「うわあちょっと暗くなってきたね・・。とりあえず下関市街に戻ろっか?宿もそこら辺のほうがたくさんあるだろうし・・。」
魚「うん・・。疲れてない? 私、運転変わろうか?」
「大丈夫!オッサンまだ頑張れるよ!」
彼女のちょっとした心使いが嬉しい。
とりあえずナビで下関市街へとルート設定し走りだす。
「あれ?来た時の道とちょっと違うよね・・。」
魚「どっちかって言うと山側・・だね。」
どうやら時間帯的に山側のほうが道が空いているとナビが判断したのだろう。
この時はそのくらいに思っていた。
「えっとここを右・・。」
どんどん山が深くなっていく。
「あれ?なんか道が狭くない?」
ナビが導くままに進んでいたら、林道というより山道のような場所に入ってしまった。
「でも、ちょっと近道にしては狭すぎじゃない・・?」
魚「ちょっと怖い・・です。」
車一台がギリギリ通れるような道でUターンするのも無理だ。
誰も通らないような山道に大量の鳥居。その目的とは・・
ナビがクソなのか・・それともなにか霊的な力に引き寄せられているのだろうか・・。
所どころに小さな赤い鳥居が立っている。
「なんか・・ヤバいとこに来ちゃったんじゃない?」
魚「え?どういう事?」
「ほら・・俺って何度か角島に来たことあるんだけど帰りにこの道通るの初めてだし・・。」
魚「??意味がわからない。」
「だから今日に限ってナビがこの狭い山道を選んだのっておかしくない?」
魚「確かに・・不思議。普段ならなるべく大きな道を選んでくれるはずだよね。」
「俺たち、もしかして誘い込まれたんじゃないかな?」
魚「え・・?何に?」
「ほら・・この道って小さな鳥居とか無駄に多いし・・。その・・地元の神様的な・・それか祟り的な・・?」
魚「ちょ・・やめてよ。」
「何にもないといいけど・・え?嘘!勝手にライト消えた!(冗談で消してみた。)」
魚「や!や!!キャー!」
「わーー!!」
自分から仕掛けたにもかかわらず、彼女の悲鳴の大きさに驚いてマジで叫ぶ俺。
※山道でライトを消すのは危険なのでやめましょう。
そして冗談で言ったつもりが自分も怖くなる。
そんな時に限って途中でたぬき?が飛び出してきたりとマジなハプニングもあり緊張しっぱなし。
肩の筋肉はガチガチになるわ魚女には怒られるわで行きの3倍は疲れた。
でも、なぜナビがこの山道を選んだのかは、結局謎のままだ。
ちなみに山道で良くある「小さな赤い鳥居」
これね。
妙に山道で見かけるので気になっている。暗闇に突然現れるので地味に怖い。
「山の神様の通り道だから」とか「交通事故で亡くなった人がいるから」とか「過去に土砂崩れで多くの人が亡くなったから」とか・・。
ストーリーに尾びれや背びれが付きそうな環境に配置してあるこの鳥居。なぜ設置されているかというと・・。
ゴミの不法投棄を防止するために設置されているとのこと。
ちゃんと「ごみよけトリー」という商品名まで付いている。
やっぱり鳥居とか神聖な場所にはゴミを捨てる人はいないからね。でもたまにマジっぽいのも混ざっているのでご注意w。
「ちょっと休憩していい?」
ようやく山道を抜け、最初に見つけた自販機で停車する。
魚「私買ってくる。何がいい?」
「コーラ。」
魚「糖尿にならないでねw」
運転を頑張ったご褒美としてコーラを買っていただく。
魚「わあ!YUさんちょっと来て!あと車のライト消して!」
「え・・?うん。」
しぶしぶ車を降りて魚女の所へと向かう。
魚「ねえ!空みて!」
彼女が夜空を指差した。
「おお!めっちゃ星見えるね!」
闇夜にはキラキラと満天の星空が輝いていた。
魚「キレイやねー!」
星座はてんで詳しくないけど、星を見ながら飲むコーラも格別だった。来てよかったよホント。