俺はいま、熊本市へ向かっている。
交通費を節約するために高速道路は使わない。下道だけを延々と走ってる。
鹿児島市街から328号線をすすんで山を越え、出水(いずみ)市まで出ると、そこからは国道3号線を北上。ひたすら北上。
(や、やっと八代まで来た…熊本まであと少し。)
美人の多い熊本で期待のアポ
さて、今回の熊本遠征では、二人の女性と会う予定になっている。
YUTARO的には「熊本県は九州で一番美人が多い」と思ってる。
熊本には何度か遠征で来たけど、街を歩けばとにかく美人とすれ違う。きっと美女製造工場でもあるのだろう。
(ワクワクしすぎて…肛門がざわつくぜ。)
5時間弱のドライブを経て、ようやく熊本市内へ入る。
熊本城を観光したあと、昼食にいきなり団子を食って、下通にあるコンフォートホテルにチェックインする。
遠征時はできるだけ「繁華街に近いホテル」を取るようにしている。
なぜなら「食う、呑む、遊ぶ」に困らないから。なにより女性をホテルに連れ込みやすい。
・・・・2時間後。
ホテルで仮眠をすれば、あっという間にアポの時間がやってきた。
(お待ちどおさま!熊本の美女よ!)
俺は清潔なパンツに履き替え、軽い足取りでホテルを飛び出した。
ワクワクメールで出会った「気の合う熊本女子」
ということで今日の相手の紹介しよう。
名前 | 熊子 |
年齢 | 20代半ば |
職業 | 販売員 |
メール期間 | 約一カ月 |
出会ったサイト | ワクワクメール |
運営株式会社ワクワクコミュニケーションズURLhttps://550909.com/対応アプリIOS・Android対象年齢18歳以上料金ポイント制[…]
熊子はとても明るい女性で、冗談をバンバン言えるタイプ。
メール期間も1ヵ月と長いので、下ネタを話せるほど打ち解けている。
既に電話での会話も済ませており、日頃のメンテナンスもバッチリだ。
ワクワクのプロフィールには、「一応」写メが添付されていたけれど、不鮮明で良くわからなかった。
むやみやたらに「写メください」と言うのも嫌われそうなので、容姿については会ってみてからのお楽しみである。
待ち合わせ場所は下通のドンキ
※この当時は写真を撮る発想がなかったので、2020年遠征時の写真を使っています。
待ち合わせ場所は下通のドンキホーテ。新市街から栄通りを真っすぐ進んでいく。
(期待しすぎて予定よりも早く着いちゃった…。)
せっかくなので、ドンキのアダルトコーナーで大人のおもちゃを眺めながら、スケベな妄想を膨らませる。
(あった…俺が探してたのはコレコレよ。)
大好きなメイドのコスプレを手に取り、変質者を演じていると、ポケットの中で携帯電話が鳴った。
「お電話ありがとうございます。お客様サービスセンターでございます。」
熊子「そういうのいいから。ドンキの入り口にいるんだけど…YUちゃんどこ?」
「いまメイドのコス…寒いから店の中におる。」
熊子「じゃあ、降りてきて。」
俺はメイドのコスプレを丁寧に棚に戻すと、迷路のような通路をかいくぐって入口へと向かった。
(焼き芋の匂いがする。もうすぐご対面だ。)
細くて色白でひょうきんな女
ドンキの入口には背の低い女の子が立っていた。モコモコの赤い帽子をかぶっている。
「…熊子?」
ドンキの歌にかき消されそうな小さな声で俺はつぶやいた。
すると背の低い女はこちらを向いて、
「あ~!ホントに来たばい!ウケる~!」と笑った。
いきなりウケやがって。失礼なヤツだ。
(顔はどうだ?…ブスではない…でも、かわいくもない。)
熊子はやや地味な顔つきで、小〇純がナチュラルメイクに目覚めたような顔をしていた。
身長は低いが、ほっそりと華奢な体型をしている。
とても色白で、その肌の白さが顔の地味さを帳消しにしてくれる。
(肌の白さは七難隠す…とはこのことか。)
熊子「ごめんね遅れちゃって。デパートで帽子選びに迷ってて。」
彼女はフワフワの赤い帽子を指さしておどける。
「ファンシーな帽子だね。えっと…可愛いよ?」
熊子「ファンシーって言葉使う人初めて見た。」
「今日さ、いきなり団子しか食ってないから腹ペコなんだ。」
熊子「マジで?変わった食生活してんね。」
「とりあえず、どっか入ろうぜ。いい店知ってる?」
熊子「まかせて!何系がいい?」
「美味しいお酒が飲めるとこ。あと馬刺しとか熊本名物が食えるとこ。」
熊子「ポクポクパク…チーン!」
「おい、急にどうした?」
熊子「一休さんのマネ。」
「…朴さんもおったぞ?」
熊子「つべこべ言わずについといで。」
熊子は思ってたとおり、とても明るくひょうきんな子だ。今日は楽しい会になりそうだ。
初対面でも楽しめる。熊本酔いどれデートコース
【一次会】下通の「おるげんと」へ
熊本の繁華街は「銀座通り」「クラブ通り」「シャワー通り」など、いかにもな通り名がついている。
熊子に案内されて、たどり着いたのは「おるげんと」というお店。店内は古民家のようだ。
ロフト席に案内され、階段を上るとゴチンと頭をぶつけた。
「いてて…ねぇ、頭から血出てない?てか、落ち着く良いお店だね。」
熊子「言ってることが支離滅裂すぎ(笑)」
さて、とりあえずのビールで乾杯。
しばらくすると注文した馬刺が運ばれてくる。
「ウマい!赤身もたてがみもうまっ!この馬レバーコリコリしててう~ま~!」
熊子「…リアクションがいちいちうるさい。馬なのか、旨いのかハッキリしなよ」
「このからし蓮根…揚げたてのアチアチでヤバい!これは焼酎ですかな?」
熊子「さっきから独り言がすごいよね。」
「熊本って何焼酎が有名?」
熊子「う~ん熊本は米焼酎かな。わたしはあんまり飲まないけど。」
ということで、熊本名物の球磨(くま)焼酎をロックで頂く。
「たはー!ち・あ・わ・せ♡」
高血圧、肝機能障害、痛風の明るい未来に向けてまっしぐら。
「そういえば、今日は仕事休みなんだっけ?」
熊子「休みって言ったやろ~。でも午前4時まで働いてたから、さっきまで寝てたけど…。」
ちなみに熊子はショップ店員である。
とはいってもアパレル系ではなく、深夜まで営業している特殊なお店で働いている。
お水とか風俗ではないが、書いてしまうと特定されそうなのでごめんなさい。
【ニ次会】ソープ街にある治安の悪そうなカラオケBOXへ
「ふぅ…美味かった。二次会はどこ行く?」
熊子「そうだなぁ~。あ、YU君ってカラオケ好き?」
「めっちゃ好き♡」
熊子行きつけのカラオケBOXがあるらしく、俺たちはそこに向かうことにした。
下通のアーケード街を横断すると、ネオン煌めく看板が見えてくる。
(ここは…俺の大好きな…あの街だ。)
どうやら、このあたりは風俗街のようだ。
そんな怪しい場所に、そのカラオケBOXはあった。
熊「到着!ここだよ!」
「…え?いつもここで歌ってんの?」
カラオケBOXの内装はかなり古びていて、治安も悪そうだ。
(トイレに行くの怖いお…。)
個室に入ると座敷スタイルで部屋も広い。ゴロゴロできるし快適だ。
(ここならエッチもできるお…。)
熊「よ~し歌うよ~!」
彼女はマイクを手にとり、爆音で曲がスタートする。
真っ先にカラオケに誘うだけあって、その歌声は鐘が鳴るほど上手い。
「それでは聞いていただきましょう。中〇保志で最後の雨~♪」
負けじと俺も歌う。
熊「いきなりバラードはねえわ。」
熱唱は順番に繰り返され、次第にヒートアップしていく。
これでは熊子を口説く暇も、おっぱいを触る暇もない。
あっという間に3時間が過ぎていった。
(…そろそろお開きか。めっちゃ楽しかった。)
心地よい疲労感。今日はたっぷり眠れそうだ。
恋愛だけが出会いじゃない。セックスだけが出会いじゃないのだ。
熊「よっしゃ!盛り上がってきたぁ!次どこいく?」
「…じょ、上等じゃねえか。」
すでに午前0時を過ぎていたが、まだまだ俺たちの夜は終わらない。
【三次会】レコードを流してくれるレトロなBAR
カラオケのあとは、彼女が通っているバーで飲むことになった。
熊子「今から行くバーだけどね。レコードがたくさん置いてあって、選曲もセンスが良いんだ。」
「へぇ~楽しみやな。」
熊「しかも、あたしが好きな人が働いてんの。」
「…へ?好きな人?あなた好きな人いたの?」
熊「年頃の女やもん。好きな人の一人や二人いないとおかしかろ。」
俺たちは銀座通りに出て、駕町通りへ曲がる。
そこから小道に入り、雑居ビルを3Fまで上ると、そのBARはあった。
熊子の行きつけのBARなので店名は出せないが、
駕町通りファミマの近くにあるので、この辺りに詳しい人はピンとくると思う。
熊子はBARの扉を勢いよく開ける。
熊「マスターくん。来ちゃった♪」
マスター「お、いらっしゃい。」
マスターは少し寡黙そうな人だ。他の客はおらず、YUTAROと熊子とマスターの3人だけだった。
レトロなランプが店内を優しく照らしていて、カウンターの上にはターンテーブルが置かれている。
くまモンは柑橘系のカクテル、俺は男らしくラフロイグの10年をロックで注文する。
熊子「ねえ…マスターくん、〇〇の曲かけて。」
マスター「お、いいよ。」
マスターは棚の中からレコードを取り出すと、プレイヤーの上に乗せた。
しっとりとしたソウルミュージックが流れる。
熊子「ね、雰囲気いいでしょ?ここ、すっごく居心地いいの。」
「うん、カッコいいお店だわね。」
熊子は女の顔をしながら、お気に入りのマスターにあれこれ話かけている。
(…もしやオレって蚊帳の外?)
寂しくなって、ラフロイグを多めに口に含む。
口の中に強いピートの香りが広がった。まるで正露丸だ。
暗い店内と心地良い音楽。…そして蚊帳の外男。
(…カラオケまでで帰れば良かった。)
その口づけは罪悪感の味がする
マスターが店の奥へと消えていった。トイレだろうか?
熊子「YUちゃん?眠い?つまんない?」
「…そんなことないよ…。(あるよ)」
熊子の顔がゆっくりと近づいてくる。
そして、彼女の唇は俺の唇に重なった。
(え?…コレってキスじゃない?しかもキモチイイじゃない。)
唾液が粘り強く絡まり合う、正露丸の香りは、彼女の口にも広がった。
熊子「ふふ。チューしちゃったね。」
彼女は俺の目の前で小さくつぶやく。
「あなた…マスターのことが好きなんじゃ…?」
熊子「…いいの。い~の!」
そう言うと、熊子が再びキスをしてくる。
(やっぱり、なんか事情があんのか?)
マスターに対する小さな罪悪感。このキスにはそんな味がする。
(み、耳がぬるいんですけど?)
さっきから耳の中にちゅぱちゅぱと、いやらしい音が響いている。
彼女の手は俺の内太ももをさすっている。ゆっくりと。
熊子「YUちゃんの耳垢…柔らかいし苦いね。」
(こんなとこに耳垢のソムリエおった!)
熊子が俺の耳垢を食べ始めて、いったい何分経っただろう。マスターはまだ帰ってこない。
人の気配は感じるので、俺たちに気を使ってくれているのかもしれない。
「あと、一杯飲んだら出よっか?」
熊子「うん…この後さ…ウチ来る?」
その言葉を聞いて、俺はウイスキーを一気に流しこんだ。
甘いキスの味は、再び正露丸の味へと変わった。