待ちに待った沖縄旅行。ハートはお祭り騒ぎだぜ!
8月5日の金曜日。夏真っ盛りのお盆前だ。いよいよ沖縄旅行の当日がやって来たのである。
俺は福岡空港の国内線ターミナルにて筑紫女を待っていた。
お盆前といえど空港はごった返している。
仕事だけじゃなく「早めの夏休み」を取っている人たちも多いのだろう。
福岡空港は街中にある。空港で地下鉄でいけるという便利さ。
これまでの新千歳空港や中部国際空港のように都心から離れていないというのがありがたい。
その反面、「騒音がうるさい」、「高層ビルが建てられない(福岡市内は高層ビルが少ない)」、「墜落したらヤベえ」といったデメリットもある。
住んでみると騒音もそれほど大きくもなく(車のクラクションやサイレンのほうがよっぽどうるせえ)、高層ビルなどは都会のプライド的な存在で実際はたいして必要もないという印象だ。
ということで博多っ子御用達の福岡空港はちょっと古いけど便利なのである。
「YUさん今着きました!」
空港のお土産屋で明太子を見ていると筑紫女からメールが入る。
「二階のお土産屋さんにいるよ~!」と返事をする。
少し待っていると声をかけられた。
俺の持っている物よりも一回り大きいキャリーケースを引いているのが彼女だ。
「おお・・これまた大荷物で・・。」
前にも言ったけど女ってやつは荷物が多い。財布一つで出かけられる女は少ない。
逆に荷物の少ない自分が何か忘れ物をしていないか心配になってきた。
筑「えへへ!夢をいっぱい詰め込んできちゃいました♪」
さっそく俺の腕に手を回す彼女。こういう行動がたまらなく可愛い。俺の鼻の下は伸びた。
「出発まであと一時間半だねえ・・早く来すぎたかな?」
筑「遅いよりはいいですよ。チェックインして軽くご飯でも食べましょ!」
チェックインをして航空券を受け取り、荷物を預ける。
身軽になった俺たちはターミナルの喫茶店で軽食を取った。
「あっちはもっと暑いかな~?」
「ホテルが綺麗だといいね!」
そんなことを語りながら楽しい時間というのはあっという間に過ぎていく。
「そろそろ行こうか?」
俺たちは荷物検査を終えて搭乗口へと移動する。
搭乗するのはJALとかANAのような大手ではなく、少しお安いスカイマーク先輩である。
よくよく考えれば、沖縄に行くのは一年半ぶり。
これまでもあの街ではいろんな経験をさせてもらったけど、女性と二人で行くのは初めてのことだ。(だいたい現地調達っす。)
アナウンスが流れて機内への入場が始まる。
さすが那覇の便だけあって、仕事で向かう人は少なそうだ。
「お!この席だ。窓際がいい?」
筑「できればw」
「じゃあ座っていいよ。」
飛行機の座席に腰掛ける。シートベルトは忘れずに・・。
機内には観光地へと向かう乗客たちの楽しそうな声で溢れている。
その中に俺たちの声も混じっていた。
俺は横に座っている筑紫女の手を握った。白い歯を見せて彼女が微笑んでいる。俺の横には初老のオッサンがいた。
トランク2つと彼女も乗せて沖縄飛行へin the skyである。
福岡から南へ向けて飛行機は飛び立った。今日は全く眠くならない。
この狭い飛行機の中ですら楽しい。