楽園から帰ったらDHA不足だった・・。
筑紫女との沖縄旅行を楽しんで、俺達は再び福岡に戻ってきた。
最高の旅は最高の思い出となった。
「筑紫女のアソコの毛・・そろそろ生えてきた頃かなあ・・。」
俺はボソッとつぶやいた。
あれから一週間・・今はお盆である。
この暑い暑い夏も終盤へとさしかかろうとしていた。
「沖縄楽しかったなあ・・」
でも思い出に浸る時間というのは長くは続かない。
「ああ・・暇だ~。」
福岡は九州全土から人が集まって来ているので、盆と正月はみんな地元へと帰ってしまうことが多い。(観光客は来るけど。)
そのせいか街もいくぶん閑散としていた。
「つまらねえ・・。休みなのに・・クソ!」
今日もまた、加齢臭のする枕に密着しながら携帯を取り出す。
残念ながら誰からもメールは来ていない。
福岡で仲のいい女の子たちは帰省やら旅行やらで忙しいらしい。
このリア充め・・。
「スーパーの惣菜やコンビ二飯は飽きた・・誰かに会いたい。」
俺の中の「悪い虫」がうごめき出す。
気がつけばいつものように、いくつかの出会い系サイトにログインしてしまっていた。
「暇つぶしにプロフを見るだけにしよう。」
ポチポチと上から順に女の子のプロフィールを閲覧していく。
「こいつからはメンヘラ臭がする。」
「むむ?こやつはきっとちょいぽちゃという名のデブだ。」
・・身勝手に吟味を重ねる。
「こんにちは!YUTAROです!○○さんのプロフィールを見て!・・以下略。」
「一緒にご飯食べたり、お酒とか飲んでワイワイ楽しめるような・・以下略。」
プロフを見るだけのつもりが気がつけば女の子にコピペ的メッセージを80通も送っていた。
・・うっかり課金すらしていた。
「・・ん?これって・・いつもの俺やん。」
退屈とはつまり毒である。
ダメな自分を戒めるために俺は寝た。そして夕方に目が覚める。
そして、やっぱり返事が気になる。
「ダメえ!ログインしちゃらめえ!」
うん。ログインする。
返事は・・・
・・一通だけだった。
・・死のう。
80通も送って一通だけだった。・・もう選ぶこともできない。(後でもうちょっと来ました。)
「いやあ!嬉しいです!返事もらえなかったら死のうと思ってたんであなたは命の恩人です!(以下略)」
俺は全身全霊をこめて、長文のちょっとキモいメールを彼女へ返す。
女「なんか面白そうな人ですね!笑っちゃいました!」
相手も暇なのかスグにメッセージは返ってきた。
俺のキモいメールすら面白く感じてくれるナイスガールだ。
「あの・・魚好きですか?」
女「え?好きですけど?なんの魚?」
「なんの魚かは決めてないんですけど、凄く魚が食べたくて・・良かったら食べにいきません?魚。」
今思うと俺の脳も夏の暑さにヤラれていたようだ。
女「え?今日ですか?」
「できれば。最近魚食べてなくて・・。」
沖縄から帰ってから一度も魚を食べていない。あきらかにDHA不足の弊害が出ている。
女「ご飯だけなら・・。」
「おっしゃ!んじゃメアド教えてください!」
ひょんなことから写メも見たことない人と無理やり「魚(?)」を食いに行くことになった。ええ子や。
ということで今日の相手のご紹介を!
ーーー魚女ーーー
年齢:20代半ば
出会ったサイト:ワクワクメール
コメント:細かいことは何もしらず、勢いでアポを取ってしまった女性。プロフィールにはOLさんと書いてあったが、実際の職業は会ってから知ることとなる。
こんな無茶ぶりに乗ってくれるのだからいい子かどMに違いない。
その後、メアドを交換し待ち合わせを決める。(魚女は疑ってたけど。)
そして足早に家を出た。