俺氏、名古屋の「婚活パーティー」に参加する。
「名古屋で婚活パーティーのお誘い・・か。どうしよう・・。」
現在地の大阪からは約150キロの距離。
だが、ちょうどいい地元の名古屋に帰って実家で二・三日ゆっくりするか?
実家ならホテル代もかからないし。
「もちろん、出席しますー!婚活パーティー万歳!」
愛車を停めた駐車場まではもうすぐだ! YUTAROは名古屋に帰ることにした。
英気を養って出会い旅終盤のモチベーションを上げるため。
そして、婚活?恋活パーティー?(良くわかってない)に参加するためだ!
※呼び方は「婚活パーティー」「出会いパーティー」「出会いパーティー」など様々ですが、紛らわしいので、この記事では婚活パーティーに統一します。
勢いよく大阪を飛び出し、高速に乗って名古屋に向かう。行くぜ!WILDに!
婚活パーティーってどんなの?
婚活パーティーとは複数人数でコンパのようなものをするのだ。別で出会いパーティー、恋活パーティーとも呼ばれたりする。
人口の多い都市部では毎週のように、開催されている。
コンパは主に男女の友人つながりで開かれるものだけど、婚活パーティーは専門の企業が主催しているので、男女ともにほとんどが見知らぬ人ばかり・・そして当然ですが、皆さん初対面で他人行儀なので、いきなり仲良くなるというのはなかなか難しい。
基本的に席の場所は固定されていて、司会の進行に沿ってパーティーは進んで行く。
時間を区切って女性の座っている席を、周り会話するというのが主流。盛り上げるためのゲーム的なものも用意されている。
友人と一緒に行くか、一人で行くならあらかじめ酒でも飲んでないと結構緊張しますな。
真剣度は、職業、年収、年齢、人数ではかるべし!
婚活パーティー参加者の真剣度は、パーティーのプランである程度はかる事ができる。
職業が上場企業や医者、弁護士に限定されていたり、男性の年収が高収入限定だったりすると女性の婚活真剣度は高くなる。
さらに免許や年収の証明が必要になるパーティーだと、ハイスペック、ハイステイタスに目がない女性が多いということになる。
30代中心など年齢を限定したプランの参加者の真剣度も、年齢は高いほど(結婚適齢期過ぎたあたり)、真剣度が上がると思っていい。
また人数の多い、少ないも一つの目安になる。
大人数のものと比べて、参加人数を適正に抑えた落ち着いたパーティーなら、男女共にゆっくりと話せるため、ちゃんと婚活目的で来ている人という気がする。
ただ、真剣度が高いからと行って、素敵な女性が来るわけではない気もする。
どんな女性が参加している?可愛い子は?サクラは?
経験でいうと結婚相手を探している人や、未来の彼氏探し目的で参加する女性、友人と好奇心で参加する女性。
見た目は思ったよりも可愛い子がいる。だけど何席かに一人はおばちゃんや、デブスが座っているので覚悟が必要だ。
またサクラや飯目当てで来る女もいるという噂も聞いたことがある。
実際に「ああ・・こいつサクラだわ」となんとなく感じるような、キレイな女性がいたり。
結果の出せない負け犬の遠吠えかもしれないが・・。
サクラに関しては多くは無いので、あまり気にする必要は無いと思う。何人もサクラを用意していたら、サクラのバイト代でパーティーも成り立たないしね。
もちろん婚活パーティーで知り合って結婚というゴールまで行くケースも多い。(YUTAROの幼馴染の女は婚活パーティで出会った男性と結婚しました。)
男性はヤリ目も多い。既婚者もいたりする。
男性陣は、女の子とエッチする事を目的としているチャラい男も多い。
もちろん真剣な恋人探し、結婚相手目当ての人が大多数なのだが。
またこっそり既婚している人も参加していたりする。(これは反則です。)
大人数の婚活パーティーはこういう輩も多く、結構チャラチャラしている。
あなたが真剣な出会いを求めている女性なら、大人数のパーティよりも、目的を絞ったの婚活パーティのほうが良いかもしれない。
参加費はいくらぐらいが相場?
今回参加するような大人数のイベントだと、料金的には男性が5000円前後、女性は2000円前後あたりが相場だろうか?
基本的に男性のほうが高めに設定されている。少人数の場合は参加費がもう少し高くなる傾向にある。
ちなみに、医者とか弁護士なんかの高収入なハイスペック職業に限定したパーティは、男女の料金設定が逆転することもあり、女性のほうがかなり高くなることもあるようだ。
婚活パーティーはどこがオススメ?
婚活パーティーに参加するならやはり知名度が高く、参加者が多いところを利用するのが良いだろう。
あまり知られていないところは、利用者数が少なくて定員割れを起こしたり、女性参加者が満足に集まらずに男女バランスの悪くなってしまう恐れがある。
そこを踏まえて、オススメの婚活パーティー主催者も紹介しておこう。
最大手のパーティ主催企業エクシオ
パーティ主催企業の最大手としては、エクシオが有名。個人的に一番オススメでパーティー参加者数は9年連続一位。
パーティーのプランには職業や年齢が限定されているものや、特定の趣味を持った人に限定したもの、大人数の大型なものまで多種多様に展開されている。
都市圏では毎日のように婚活パーティーを企画していて、スポーツチームや大型イベントのスポンサーになっていたりもする。出会い系の最大手のハッピーメールとコラボパーティーも行っている。
ホームページに開催されているパーティーの概要があるので気になる人は見てほしい。
信頼性と真面目度の高いホワイトキー
ホワイトキーは株式会社ウィルコミュニケーションズが手がける婚活パーティー事業者。複数の婚活&恋活系事業を手がけるIBJの系列でもある。
年間利用者数は40万人以上で、パーティーの頻度も非常に高い優良主催者。
真面目系のパーティーが多く、アフターフォローサービスもあるので女性からの信頼も高い。
コンセプトが豊富なPARTY☆PARTY(パーティーパーティー)
IBJ運営の婚活パーティーの大手業者。
「東京タワーで浴衣祭り」「照れ屋な女性」などコンセプトが豊富で面白い。
また婚活パーティー業者としてはそこまで「重さ」が無いのも好印象。
今回参加するエヴァのふれあいパーティー
今回YUTAROが参加した出会いパーティー。上にあげた業者と比較すると知名度やプランの種類に劣るが、実は老舗で東海地方ではそれなりに知名度がある。どんなパーティーだったかは続きを見てね!
婚活パーティを選ぶ時のコツ!少人数や個室パーティーがオススメ
婚活パーティーは大人数になると、忙しいだけで相手の印象どころか顔も名前も一致しなくなっていく、なんせ会場の雰囲気に飲まれて楽しめるどころじゃありません。しゃべる時間も短いしね。
大人数のパーティにはそれだけアプローチできる女の子も多いかもしれないが、相手の印象もよくわからないような忙しい状態だと結局「あれ?なんか違うわ。」なんてことにもなりかねない。
ほとんどが顔や雰囲気だけの第一印象だけで決められてしまう。性格まで判断するのは難しい。
もし婚活パーティに出席するつもりなら、なるべく人数が少なめのイベントをおすすめする。
最近ではさらに個室で行うものある。ゆったりと楽しめるので仲も深まりやすいはずだ。
せめて婚活パーティーに何回か出席して、馴れてから大人数のパーティに参加したほうがいいのかな?と思う。
友人と会場へ・・ドタキャン、遅刻厳禁!
開催地の名古屋へと到着。遅刻、ドタキャンはアカン!
「はぁぁ・・疲れた!」
愛知県に入り、一宮から南へ下る。実家に近づくにつれ、懐かしい感覚が戻ってくる。
故郷の臭い。工業地帯独特の金属や油の臭い。(YUTAROの地元は下町なので小さい工場が多いっす。)
トヨタは絶好調だというのに、だいぶ町工場も少なくなってしまった。なんだか寂しい。
少し実家で仮眠を取り、気がつけばパーティーの開始時間までおよそ1時間半。
「ヤベ!遅刻する・・!いってきます!」
婚活パーティーは、パーティー開始前にいろいろやる事がある。遅刻をしてしまうと参加できないケースも。
また予約制がほとんどで、男女の定員数が決まっているので、当日などのドタキャンは迷惑行為となるので厳禁だ。(キャンセル料を取られる場合も)
頼もしい戦友(チャラ男)と合流。
オカンの制止も振り切って向かうのは地下鉄の駅だ。
「名古屋の地下鉄なんて乗るのはいつぶりだろう・・」
地元にもかかわらず公共交通機関には疎い。電車の乗り換えが苦手。
さらに、人が多い狭い場所が嫌いなので、地下鉄はあまり乗りたくない。
ただ、婚活パーティーの会場は、名古屋の都心である栄なので、やっぱり地下鉄で向かうのが正解だ。
券売機で切符を買うと、階段を降りて、ホームのベンチで待つ。待つのは電車ではなくて、古い友人だ。
会場のある栄のナディアパークへ
少し待つと友男が現れた。
友「おっすー!お前顔むくんでない?」
「いろいろと・・疲れとる。」
出会い旅も終盤、疲れが抜けない。
友「元気だせ!婚活パーティーで女どもいわしたろうぜ!」
口は悪いが、頼もしいやつだ。
こいつは昔から女性とも、臆せずに話すことができる。 童貞を中学生の半ばで卒業している。
大学時代終盤まで童貞だった、YUTAROとは違って、出会い系が無くてもやっていけるタイプだ(笑)
街や店でも女性に声かけたりできるスーパーマンだ。
つまり友男は、コミュニケーション能力が非常に高い。年は同じだが、いろいろと人生の先輩だ。
友「ちゃんと時間どおりに来たな。ドタキャンしてたら、こ○してたとこだぜ!」
さすがここは名古屋人。時間にルーズな人には厳しい。
さて、二人は地下鉄名城線に乗り込む。 今日のパーティーの会場は「ナディアパーク」という名古屋栄の総合デパートの中だ。
LOFTが大きくスペースをしめていることから、ロフトと呼ばれたりもする。
ナディアパークに到着すると、喫茶店に入り友男と作戦会議を行うことにした。
ライバルの男性参加者を出し抜くぞ!恋活パーティー対策会議
出会い系は得意だけど、婚活パーティーは苦手。
実は、婚活パーティーには、以前数回参加したことがある。
今では一緒に行っていた男友達が、ほとんどが結婚してしまったので、そういうお誘いはほとんど無い。
・・。独身は寂しい。出会いは多いのに、結婚できずに独身のままの自分が辛い。
YUTAROは大人数としゃべるのはあまり得意じゃないほうだ。なぜなら、まわりが気になってマンツーマンの会話に集中できないから。
残念ながら、これまで婚活パーティーの結果は思わしくなかった。・・てか、全滅でした。
でも、あの頃のダメな俺とは違う!数多の女たちとヤッてきた修行の成果を試すにはいい機会だ!
議題はライバルを抑えて「どうすればモテるか」へ
友「今日は男100人対女100人という大規模パーティーだ。実際の参加者はキャンセルなどで少し減るとしてもライバルは多い。激戦になるぞ!軍曹!」
「そんなに参加者多いんか!人が多いの苦手だわ。」
恋活パーティーは出会い系サイトのようにマンツーマンで女性とデートをする形式ではない。
イベントごとに10数人の少人数~100人レベルの大所帯もある。今回、友男がチョイスしたのは、100対100という大所帯のイベントだ。
ターゲットは多いほうがいいということだろうか?だがライバルも100人いる計算になる。
数多くの男性ライバルをかき分けて、結果を出すことが次へつながる第一歩だ。
「こんなん・・無理やん。」
ちなみにYUTAROは婚活パーティーで結果を出したことがない。自信がありません。
弱気になっていると、
「自信を持て!たとえお前の顔が強烈にむくんでるとしても!」と友男が励ます。
「お前・・・余計自信なくすがや!」
大丈夫?「対策が笑顔」
友「よし、作戦会議の続きだ!100人も女性がいるんだから、一人と話す時間はほとんどない。限られた時間の中で、いかにしてより狙った女とカップルになるか、より多くの女から連絡先を教えてもらうかに焦点を当てなければなるまい。」
「ごもっともです。大佐!でもどうすれば・・?」
友「女どもには、笑顔を見せろ!1に笑顔、2に笑顔だ!」
「はい、大佐。でもそれって作戦ですか?」
友「人数が多いから第一印象が大事なの!良いから笑ってみろ!」
「こう・・ですか?(ニッ!)」
友「キモい!却下!」
可愛い子は競争率が高い!「ほどほど顔を狙う作戦!」
友「とにかく、一番かわいい子には男が殺到するから、そいつらにはかまうな!俺らはオッサンだしイケメンでもない、時間の無駄だ。今日はほどほどの子を見つけてゲットするぞ!」
「イエッサー!ほどほどにかわいい子を狙うわけですね!」
全くよくわからんが、妙に説得力がある。
とにかく友人について回っていれば大丈夫だろう。コバンザメ作戦に決定である。
今日の立ち回り方が決まったところで、そろそろ時間だ。
婚活パーティがいよいよ始まる。ツワモノ共との戦いが始まる。 今日が俺たちの桶狭間じゃああ!(意味不明)
婚活パーティー(エヴァのふれあいパーティ)を体験。
友「そろそろ時間だな・・行くか?」
「は・・はい・・。ワタクシ緊張してきたであります。」
俺達は喫茶店での作戦会議を終えると、長いエスカレーターを登っていく。
会場到着!可愛い子を偵察。
「なんか結構人がいるね、これ全部婚活パーティーの参加者かな・・?」
それほど出会いを求めている男女が多いということだろうか? 会場前には若い男女が集まっている。
友「おお!あの子とか結構かわいくないか?」
友男に備え付けられている美人センサーが反応する。
周りを見渡すと、たしかにけっこうな綺麗どころもいれば、あれっ?って思うようなドブスもいる。
今回のパーティは男性100人対女性100人。
しかももうすぐクリスマスだ。1年で最大級のイベントを前にしているのだから「それまでに恋人を作る!」という野望を抱いた多くの男女が集まるのは不自然ではないかもしれない。
ほとんど20代?若作りしたけど、やっぱりオッサンの部類。
見たところ若い男女が多い。女性も男性もだいたい20代と言った印象。
YUTAROと友人は今回の参加者の中でも、年齢層の高い部類だろうか?オジさんであります。
服装は若作りしてきたものの、この老いぼれ二人はお肌がツヤツヤの髪の毛フサフサの若い男どもに対抗できるのだろうか?
「おい・・パーティー間違えてるんじゃ?」
友「気にするな、あんな薄っぺらいガキどもに負けるか?こっちはバツイチや!大人の魅力満載だがや!」
あんた、なんなの?その自信。俺はバツイチじゃないんですけど?
最近嫁さんと別れてシングルになった、不良品のくせに妙に強気だ。
しかし、彼の言葉や態度はとても頼もしかった。臆病になるのはよくない。
俺も女性の経験値では友人にも負けてないはず!自信を持てい!
婚活会場にチェックイン!まずは料金を支払う
受付で友人が予約者名をいうと、お金を支払う。ネット予約割引かなんかで3,500円だったか4,500円だった。(雑)
なにやら紙をいろいろと渡される。プロフィールカード、印象チェックカード、アプローチカード・・。なんじゃこりゃ?
早速会場に入る。ズラッと席がならんでいる。大規模パーティーなので広い!
中には1人で参加している強者も
戦いを控えた男性たちは、まわりを伺いながら殺気を放っていた。
中には男性一人や女性一人で参加している強者もいる。
少人数のパーティならまだしも、この人数で一人だとメンタルが鋼鉄で出来てないと厳しい。
とにかくライバルを蹴落として、意中の相手をゲットする・・。それだけに集中しなければ。
今回の婚活パーティーは激しい戦いになりそうだ。
適当では済まないプロフィール的なヤツ。
空いた席にすわり「プロフィールカード」とやらを記入する。記入欄がたくさんあり、いろいろと細かい。
名前とかあだ名とか職業や年齢やら年収なんかを書くという事務的な作業がめんどくせえ。
でも、適当にはできないので一生懸命記入する。
相手の印象チェックは怠るな!
「この紙はなんなの?印象チェックカード?」
友「おお、これは絶対なくすなよ!」
印象チェックカード。番号が1から順にずらっと割り振られていて、小さくメモ欄がある。
実はこの紙がかなり重要。これからたくさんの女性と話すことになる。
「この子可愛かった」とか「もう一度しゃべりたい」ってな感じで、カードに女性の情報を書き込んだり、チェックをして、たくさんの女性をさばいていくことになる。もちろん女性側からもチェックされる。
友「チェックしすぎると訳がわからなくなるから気をつけろよ。それに女の番号は絶対間違えるなよ。」
「知ってる。お前と恋活パーティには何度かいったことあるもん!そういえば、お前最高のミスしたよな!」
友「そうだったわ・・。(笑)俺がやっちまったんだった。」
若かりし頃、興味本位で婚活パーティーに行ったときに、彼は番号を間違えてブスとカップルになったことがある。
パーティー開始前に女性に声をかけるのはルール違反!
気がつけば近くには女性が二人座っている。・・顔はまぁ普通レベルか?
「なんか飲み物とってこよか?お茶でいい?」
と友男に聞くと、
友「おう!あっ!きみたちは飲み物何がいい?」
と友男が近くの女子にも声をかける。
既に仁義なき戦いは始まっているようだ。(ルール違反です。)
女「いいんですかー?じゃあお茶系で!」
図々しい女だ。友男のだけじゃなくて、女の子の分もドリンクを持ってこさせられる。
(俺は・・・パシリか!?)
「~どうぞ!」
テーブルの上に彼女たちのお茶を置く。
女ども「ありがとうございますー優しい!」
友「お!いきなりポイントアップだな!こいつYUちゃんって言うの!」
「どうもYUちゃんです。ちなみに何ちゃん?」
A「A子です。」
B「B美です。」
A子は十人並みの顔立ちだか愛嬌がある。背はそれほど高くない。150前半という感じ。高めのヒールで身長の低さをごまかしている。とりあえずなんにでも良く笑う。
B美は背が高く、スタイルもまあまあなのだが、ちょっとツンとしている顔なので、話づらい印象だ。淡々としゃべるタイプで感情の抑揚を感じさせないが、話してみるといいやつだ。顔立ちはAKBの横山由衣を5発ぐらいぶん殴った感じだ。
でこぼこな二人だが、二人でいるとなぜかバランスがいい。
友「じゃあ、出会いを記念して、カンパーイ!」景気よくお茶で乾杯。
「二人とも若いねーいくつなの?」
A「24です。」
B「Aと同じで24ですー。お二人は?」
友「俺らは三十路だよ。」
A「なんか慣れてますよねー!こういうイベントとか良く来るんですか?」
友「いや初めてだよ!友達に出会いがあるパーティーって聞いて興味わいたから。いま彼女がいなくてさ・・」
(常連って言ってたくせに!女好きだからバツイチなんだよ!)
B「えー!友男さんイケメンで面白そうだし、彼女いないようには見えないなあ。実は結構遊んでるんでしょ?」
やはり、友男は女性から見るとイケメンに映るらしい、そこらへんは長年付き合っているとあまりわからなくなるものだ。
AとBを交えての会話をしばし楽しんでいると、司会の男性がマイクで婚活パーティーについての説明をはじめる。
司会はテンション高く話す。どこかチャラい。さすがやり慣れているといった印象。
どうやら、もうそろそろ婚活パーティーが始まるようだ。 ほぐれてきた緊張も再び高まってきた。
周りを見渡すと席が埋まってきていた。ガヤガヤしてきている。
説明によると、今回のパーティでは女性の席は固定されていて、男性が席を隣へ隣へと移動していくらしい。
かなりの大人数なので一人一人と話す時間も短いようだ。ここは第一印象をよく巡って行かねば勝目はない。
「笑顔・・笑顔だ。」俺は思わず口角を引き上げた。
友「お前、なにいきなり引きつってんの?キモいよ?」
「うるせえ!笑顔だよ!」
婚活パーティとは、最後にカップルになったものだけが勝者として讃えられるという、 まさに弱肉強食の世界なのだ。
婚活パーティ開始!女の子と話す時間が短すぎる!
全てのメンバーがスタートラインについた。司会の開始の声とともに婚活パーティーの火蓋を切って落とされた。
一斉にみんなが話しはじめる。まずはさっきまで話していたA子だ。話しの続きをしていると、司会が席の移動をつげる。
「え?嘘!短い!」
話せるのって1分もねえんじゃねえか?短すぎるんですけど。
司会はなんか楽しそうだけど、オイラはそれどころじゃねえ!
これでは第一印象も声と顔くらいしか相手に伝わらない。
YUTAROはイケメンでもなく髪の毛もないんで、第一印象にはあまり良くない。
(・・めっちゃ不利だ。)
なにか対策をねらなければ!不発に終わってしまう!
パーティ中に女性に番号を聞くのは反則です!
俺が焦っていると、友男が隣で、
「あっ番号書くからパーティー終わったら飲みいかない?」
そう言いながら、当たり前のようにB美の印象シートに携帯番号を書く友男。
(おまっ!ちょ!)
いきなり退場レベルの反則をかます友男。
(この先も波乱の予感しかしねえ!)
友人は出禁になるのか?それともこの激しい戦場でかわいい子をゲットするのか?
すごいペースで移動と自己紹介を繰り返す。
先行きの不安さに目の前の女性に対して口がうまく回らない。
ずらっと席に並ぶ男性陣と女性陣。これは、壮大な祭りだ。
隣へ、また隣へ。着席して名前を教えても一分ほど話せば、また相手が変わってしまう。
(なんなんだこのペースは!?)
まるでベルトコンベアーに乗っているかのようなペースで席が変わっていく。
「こんばんは、どうも!YUTAROですー!今日はどちらから?」
「YUTAROと申しますー34番ですー!お一人できたんですかー?」
いつまでたっても、自己紹介の繰り返し。
「立って座る、座っては立つ」という作業で膝が悲鳴をあげている!
もはや婚活パーティーというよりも大型の面接会。就職氷河期だったあの頃を思い出す。
(100人対100人はさすがに無理があるんじゃないの?)
運営の年末ボーナス稼ぎに利用された感が否めない。
美人がいると渋滞する
美人の子や、話しやすい感じのいい子がいると、さらに面接時間は短くなる。
そういう子は他の男性陣も長く話したがるので渋滞が起こる。
美人の番が自分に回ってくると、終わるのを待っている横の男性のプレッシャーがヤバイ。しぶしぶ次の席へ。
(これは精神衛生上よくないわ。)
ブサイクは一分でも長く感じる不思議
逆に話す相手がブサイクだと1分でも長く感じるから不思議だ。
君たちもしかして時間を操ることができるのかい?
ちなみに、YUTAROの前の順番は友男なのでゆとりの振る舞いをしやがる。
いつもかなり遅れて席をうごくので、友男を待っている分、俺は立っている時間が増える。
(早く動けや!友男さんよおお!お前は味方なのか、敵なのか?)
ブサイクの時だけ、妙にキビキビと席を動くんじゃねえよ!
それでも、「あっこいつ俺の友達なんですよ!面白い奴なんでよろしくね!」
と時々女の子に紹介してくれるので、いくぶん女の子と話しやすくなったりするのは助かる。(面白いとかハードルが上がるので余計だが)
自己紹介タイムを終え。気になった女性にチェック!
何度、自分の名前を口にしたかわからない。
稼働しすぎて口の中はカラカラ。しばし放心状態がつづく。
しかし、これで終わりではない。ここで中間印象確認カードというカードを記入するという試練が待っている。
この中間印象確認カードは、気になった異性の番号に○を書くというもの。
もうねアホかと・・・あの一分間程度で印象もクソもあるかい!
このカードは一旦、運営側が回収してチェックしてくれる。
運営側は赤ペン先生と化し、逆に自分を気になっている女の子の番号に○をつけてカードを返却してくれる。
(とてつもない作業量だと思うんですが・・)
脳内の情報と印象チェックカードのチェックのみを頼りに気になる女性にマルをつけていく。
「美人すぎる子は競争率が高いから書くのやめとけ」
横で友男が言った。彼がそういうのには訳がある。
たしかに、今回のパーティには100人もの女性がいるので2~3人はとびっきりの美人がいる。
自然と男性陣からのチェックが集まるから競争率もかなり高まる。
美人の彼女からしてみたら、男から何十も集まる『いいね!』は彼女の自尊心を満足させるだけで、チェックをくれた男ひとりひとりの顔なんて覚えてもいないはず。
「中間印象チェックカード」はチェックした女性にも誰が気になっているかが伝わるので、
「あっこの番号の人が私を気に入ってくれたんだ。」と思わせなければ損なのだ。
大人数よりも、少人数のパーティのほうが確率的には自分にチェックがつきやすいし、チェックをくれた人の顔も思い出しやすい。
ということで、友男のアドバイス通りに「まあまあの子」にチェックをして運営側に渡す。
さて・・中間発表の結果はいかに?
そして女性からの愛情がこもったマルを期待するのだった。
第一印象を元にした中間発表の結果
期待と不安に胸をふくらませて待つとしようか?
さっきまでの大型面接で気になった女性の番号を「中間印象チェックカード」に○をつけて運営に渡すのだけど(たしか三人まで)、さすがの大人数なので自信がない。
カードが俺の手元へと返却される。
「まるは・・二つでございます~」
俺が女の子から付けられたマルは二つのみ。・・なんとも微妙な数字だ。
いいなと思ってチェックした女の子は全くかすりもしていない。
こんなんで出会い系マスターを名乗ることができるのか?
(・・無いよりはましか?いや・・ちょっと嬉しいぞ。)
「ふふっ!俺、女の子二人からチェック入ってたわ・・友男はどお?」
友「俺?俺は6人だったよ。ちなみに最初話したのA子とB美も入っとった。」
(;゚Д゚)!
(これが現実。これが実力の差か。)
顔面偏差値の違い。毛根偏差値の低さが憎い。
コミュ障には地獄のフリータイム
婚活パーティはフリータイムに入る。フリータイムは自由に移動して、女の子と話せる時間帯。
エヴァのふれあいパーティでは、ここで簡単な飲食もできる。
コミュ障っぽい男性が数人、椅子に座ったまま動かないでいる。
中間発表で心が折れたであろう、男性が空を見つめている。
(これは・・酷いな・・まさに地獄絵図や。)
一番ヤル気を出さなければいけない時間に、屍が積み上がっていた。
(こんな無様な姿にはなっちゃいけない。せめて俺にマルをつけてくれた女の子と話そう!)
「○番・・○番の女の子・・」周りを見渡して探す。
ブスに好かれる
見つけた!こっちを向けい!その時・・彼女が振り向いた!
顔面偏差値35!アウトォ!
こりゃもう・・抱けるとかいうレベルじゃねえ。
一気に生気が失われていく。
この子レベルの子からしか『お気に入り』をいただけないとは・・。
俺は婚活パーティーで通用しないのかもしれない。
「友男よ、僕ちょっとトイレ行ってきますね・・・。」
モテ男にそう告げるとトボトボと席を立つ。
ルール違反?フリータイムのトイレは穴場だ!
トイレ前では男女がずらっと並びかなり混んでいた。
女性は化粧直しも含むので、かなり待ち時間がありそうだ。
でもよく観察して見ると、男性陣、女性陣がトイレを待っている間に会話を楽しんでいるではないか?(男性は女性との会話狙いなのかも?)
おいおい・・・このリア充ども!道を開けろい!楽しそうにしてんじゃねえよ!(羨ましい!)
俺の堪忍袋の緒が切れそうになったその時。
?「うわ・・すごい並んじゃってますね~」
柔らかい女の声がする。どうやら自分に向けられているような・・・。
周りをキョロキョロと見渡すと、ちょっとハニカミながら笑顔を向けてくる女性が近くにいるではないか?
小柄で、かわいらしい感じのする女性だ。髪がキレイで、胸下まであるストレートのロングが映える。
「そ、そうですね~自己紹介タイムが長かったですからね~」
女「ホント!大変でした!こういうパーティって結構ハードですよね?」
「えっとたしか名前は・・・?」
「パ子です。(婚活パーティで知り合ったからパ子と呼びます。)YUTAROさんでしたよね?」
「お!覚えててくれたんだ!うれしいな!」
パ「だって私、気になる人はYUTAROさんにチェックしたんですよ~」
(なんだと?コイツ・・・さては噂のサクラか?)
疑ってしまうあたり、俺の心は汚れてしまっている。
実はかなり嬉しかったりするのだ。トイレ前の環境って穴場かもしれない。
ビッグチャンス!僕を気になってくれた彼女を嫁にしたい。
俺にビッグチャンスがやってくる。
フリータイムにトイレで並んでいる間に会ったパ子だった。
彼女は美人とはいえないが愛嬌がありそうな、かわいらしい女性だ。
まだ垢抜けていないが顔立ちもはっきりしていて悪くない。磨けば美人に光るダイヤの原石かもしれない。
(嫁さんにするならこんな女性がいいのかも。明るい家庭を築けそうな気がする。)
いつものことでYUTAROの思考は先の先へ飛躍していく。
何故、俺はこんな女性にマルをつけなかったのか?今更ながら自分の行動が悔やまれる。
とにかく、パ子からのアプローチを無駄にするわけにはいかない!YUTAROは気合を入れ直すのだった。
未来の嫁とトークを楽しむ
「パ子さんは友達と二人できたんだっけ?」
パ「そうなんですよー私達は緑区から来ました。」
「緑区かあ~良いとこだよね~(雑)エヴァは今日が始めてなの?」
パ「実は二回目なんですよー。」
「へえ~前回の結果はどうだったの?カップルにならなかったの?」
パ「最後にマッチングしたんですけど、うまくいかなかった。一度ご飯行ったきり自然消滅しちゃって。」
しめしめである。
「なかなか上手くはいかないもんだね~俺は自然消滅とかしないタイプだけど」
こっそりアピールしておく。
パ「YUTAROさんは参加するの初めてですか?」
「俺は4・5回くらいかな?」
パ「めっちゃ参加してるじゃないですか!」
「とはいっても昔だけどね~、4年くらい前かな~?」
パ「そんなに昔からエヴァって開催されてるんですね~いい人は見つからなかったの?」
「聞かないで・・てか結婚願望とかあるの?」
パ「いきなりぶっちゃけた質問しますね(笑)まだまだ結婚とか想像できなくてそういう感じではないけど、早く子供はほしいかな?」
よし!子供作ろう!とは・・言えない。
「パ子さんなら、いいママさんに慣れそうだよ。俺だったらほっとかないね!」
この気持ち悪い発言はなんだ!?
パ「きゃー!ほんとですか?」
「じゃあ今日私に(票を)入れてくださいよw」
「もちろんだよ!」
パ「じゃあ、私もYUTAROさんに入れちゃおうかな?」
「まじで!?そりゃ嬉しいね。」
パ「でもさっきチェック入れてくれなかったでしょ!」
「ごめんなさいでした。」
しばしパ子と盛り上がったあと会場に戻る。
俺氏、カップル確定
カップル成立。その確約に近いものが取れた。
もし成立すれば婚活パーティーに参加して初の快挙になる。
嬉しさに胸がはちきれそうだ。我ながら単純である。
会場に戻ると、友男と婚活パーティー開始前に話したA子とB美が寿司をつまみながら話している。
「おまたっせ♪」
友「お前、おせーよ!なにニヤついてんだよ!」
「ちょっとトイレが混んでて。すまん♪」
友「てか、これ終わったらみんなで飲みにいかね?」
な!なんという仕事の早さ。さすが俺の崇拝する師匠である。
パ子の顔が頭にちらついた。
「・・か、考えとくわ。」
友「なんだよ、お前!」
自分の仕事を評価されなかった友男がイラついている。
パ子とカップルになって、二人で秘密の二次会にいくつもりだ。
お前らなんかにかまってられるか!
チャンスはものにしなければ!
そうこうしているうちにフリータイムは進む。男性の参加者にとっては自分を女性に売り込む一番大事な時間だ。
積極的に気になる女性としゃべらなければなんのために婚活パーティーに参加しているのだろうか?
よし!意を決してパ子のところへ話に行くか?
YUTAROは席を立って回りを見渡す。彼女はどこだ?
友「お前なに立ってるの?さっきトイレ言ったばっかりだろ?頻尿か?」
て、てめー!なに引き止めてんだよ~自由にさせてくれ・・・友男に怒りがこみ上げた。
「いや・・ちょ、ちょっと飲み物でもとって来ようと思って・・。」
友「じゃー俺のも頼むわ。」
ちっ!
YUTAROは席を立つと会場をキョロキョロと見回す。
人でごった返している上、会場も広いので近眼のYUTAROはなかなかパ子を見つけることができない。
どこや?どこや?
「あっ!いた!」
ようやくパ子を発見する!
彼女は競争率高い人気物件だった
さっきまでトイレで話していた、可憐な女性が笑っている。俺の未来の嫁だ。
(・・んん?)
パ子の席の前には、若い男性の参加者が・・。
(あれ・・?)
そして、その席が空くのを後ろで待っている男性もいる。
(焦るな・・・大丈夫。大丈夫だ。)
俺達には「お互いを指名する」という確約があるのだ。
・・男性と楽しそうにしゃべっているパ子を横目に、とりあえずお茶持って基地へと戻る。
モテ男は雰囲気作りが旨い
席に戻るとA子、B美がキャッキャと笑っていた。
さすがモテ男と言ったところか。余裕とユーモアがあって相手を楽しませる雰囲気作りが旨い。
これで友男はバツイチなんだから、世の中はわからんものだ。
女性心をうまくつかむ男でも、結婚したらうまくいかないこともあるのだな・・・。
やはり結婚生活というのは、なかなか難易度が高いのかもしれない。
みんなで会話を楽しみながらも、時間は進んでいく。フリータイムは残りどのくらいあるのだろう?
婚活パーティーは奪い合いだ!積極的に動かないと意味がない
自然界では、一匹のメスに気に入られるため、オスがメスを奪い合う。
ある動物は命がけで戦う。ある鳥は美しい羽を競い合う。婚活パーティーも例外ではない。
気になってパ子の方をキョロキョロと確認するが席は空いていない。
さっきの男達とはまた違う男性が座っていた。
あの愛嬌のある笑顔と性格はやはり男性を惹きつけるのだろうか?
余裕はなくなり、焦りに変わっていく。
B美「さっきからキョロキョロして落ち着かないみたいですけどー?誰か気になる女の子いるんですかー? 」
「さっきトイレ行った時にちょっと話した女の子がいて、感じのいい子だったからちょっと・・。」
B美「 なにそれー!私、YUさんの名前書いてあげようと思ったのにー!とんだピエロだよ~!」
「君さっき友男の番号書いてたじゃん。俺、浮気きらい。」
B美「はは!バレたw気に入った人がいても積極的に話さないと二度と会えないかもしれませんよ~。」
B美が背中を押してくれる。なかなかいい奴だ。
よし、いくか!俺は席を立つ。
他のライバル共と戦う決意。
お茶を持って、いよいよパ子の座っている席まで歩いていく。その足取りには未来の嫁をゲットするという覚悟があった。
(緊張するわ~。ねるとん思い出すわ~。)
ようやくパ子の表情がしっかりとわかる位置まで来た。
席の前には一人の男性参加者。さらにもうひとりが待っている。
(目を話したスキに一人増えとるやん!・・・手ごわい。)
結果を残すならターゲットを絞れ!
婚活パーティーを攻略する上では積極性は武器になる。まず男から動かないことには全く話しにならない。
相当なイケメンでもない限り、自分から行かなければチャンスなど巡ってこない。
そしてターゲットを少数の2、3人、できれば1人の女性にしぼること。
それで、女性の印象を強くすることができる。女性と自由に話せる時間にも限りがあるので、攻めるターゲットは早めに決めてしまったほうがいい。
合コンなんかも同じだ。気を使って多くの子と話すよりも、ずっと同じ子と話していたほうが結果に結びつくことが多い。
脈がなければさっさとターゲット変更
ただ、俺に全く興味がないな!と思ったら早々にターゲットを変えることも大事だろう。
どっちつかずの優柔不断野郎は、きっとこういう会ではなかなか結果がでないはずだ。(僕のことです。)
偉そうに語っては見たものの、俺って全くうまく立ち回れてないやん!
YUTAROは大人数だと周りに気をつかってしまうタチなので、わかってはいてもなかなかうまくできない・・。
やっぱりマンツーマンの出会い系のほうが向いているなと思う。
(なんとか遅れを取り戻さなければ・・。あっ・・。)
YUTAROに気がついたのか、パ子は微笑みを返してくれる。
彼女の目の前に三人の男が並ぶというモテ子をどう攻略する?
(おらぁ!どけよ!どけどけ!)
念力を込めた視線を一番前の男性参加者に送る。
プレッシャーに耐え兼ねたのか、パコと話している男が席を立った。
オワタ\(^o^)/あと一歩でフリータイム終了!
1人の戦士が消えた。 あと1人でYUTAROの番が回ってくる。
さてパ子と何を話そうか?仕事?休日の過ごし方?趣味?焦りで少し混乱気味だ。
パ子が他の男性と話しているのを、会話筒抜けの状態で待っているのが、こんなにもしんどいとは・・。これが嫉妬ってやつですか?
(早く話したい!何分たった?俺のとこに戻ってこいよ!)
複雑な気分で待っていると・・・。
「フリータイム終了です!立っている人は席についてくださーい!」
司会の無情で非情なお告げ。
「て・・てめえの血は何色だーー!!」
せめて!せめて!ちょっとだけでも・・早く席をどけよ!このヤロー!
だが目の前の男性は一向に動くそぶりをみせず。座り込みを決めている。
「お、お前のも何色だぁー!」
他の参加者はどんどん席へと戻っていく。
結局、パ子としゃべることは叶わず、俺もしげしげと友男のいる席へと戻った。
B美「どうでした? 」
「聞くなかれ。わいは敗戦の兵や。いや戦場に立つことすらできんかった・・臆病者よ。」
友「なんか意味わからんけど、まぁ元気だせよ。あがり症のお前ががんばったんだから・・。 」
「うん。・・いやまだあきらめてないし。」
俺達には約束があるのだ。
友「マジで?お前なかなかキモいね・・・。」
その後、ゲーム的なものもあったが、どーでもいいし長くなるので省略します。
ゲームとかいらんからフリータイムの時間もうちょっと長く取れや!
婚活パーティーも佳境!カップル発表の時だ!
アプローチカードに気になる人の番号とメールアドレス、携帯番号を書いてスタッフが回収していく。
YUTAROはパ子とB、とりあえず会場で一番かわいい女の子の番号を書いておいた。
そして・・・
いよいよカップル成立者の発表である。ここからが婚活パーティーの千秋楽だ。
ちなみにカップルになれるのは一人だけである。
カップルになった女性と男性の番号を司会が読み上げはじめる。
男女がカップルになるとみんなの前で立たされて、オーディエンスが見守る中を退場するのだ。
そこには嫉妬、絶望、憎悪が・・いやいや祝福と羨望で満たされる。
ここで番号を呼ばれなければ、カップル不成立。負け組という事実だけが残る。
司会「女性2番、男性6番マッチングです。おめでとうございますー!」
司会が、番号を読み上げるたびに緊張が走る。
(たのむ!たのむぞ!)
俺は自分とパコの番号を確認する。パ子は15番、俺は40番だ。
司会が手際よく番号を読み上げていく。まるで刑務所だ。
司会「女性15番・・」
気になる彼女が選んだ相手は?
パ子が立ち上がり、ハニカミながら笑っている。
今から迎えにいくよ。パ子よ!
来い!来い!来い!!
司会「男性・・・・25番おめでとうございます~!」
ファー!(;゚Д゚)!
25番男が立ち上がる。
さっきの占拠野郎じゃねえか!こんなチャラ男にひっかかりやがって・・・。
「く、悔しいぃぃ~!」
憎しみの眼差しで二人を見つめる俺。
約束なんてするもんじゃない!もう婚活パーティなんて嫌いだ!もう誰も愛さない・・・。
「終わった・・。もう真っ白だよ。」
うなだれて放心状態。
まさかのイレギュラーカップル成立!
司会「女性45番・・・男性40番!おめでとうございます~!」
「え?・・俺の番号呼んだ?」
司会「男性40番の方立ってください~」・・間違いない俺だ。
顔を上げると女性が一人立っている。それはB美だった。
こんな俺の事を気になってくれている子がいたとわ。
こんなところに未来の嫁がいたとわ・・。
友「おめでとう!良かったな!」
「僕はここにいてもいいんだ!」
立ち上がるとみんなに拍手をされながらBと会場を出て行く。
その後、友男とA子もカップルになり、名古屋婚活パーティー編はめでたしめでたしなのであった。
モテたかといえば残念な結果だったけど。
なんだかんだで楽しかった婚活パーティー。とにかくカップルになれてよかったよ。
予定外の人と結ばれちゃったけどね。(カス)
ちなみに中学生の同級生(女性)は婚活パーティーで相手を見つけて結婚しました。しかも二人。
もし出会いがないと思っているなら足を運んでも見てはいかが?新しい恋愛の形があるかも?
婚活パーティーその後。お持ち帰りするヤツ。ピエロなヤツ。
B美と会場を出る。カップルになると二人だけで連絡先を交換したり、そのまま二人で飲みに行ったりするわけだ。
パ子がいた。カップルになった男性と楽しそうに話している。とんだ裏切り者だ!
(なんか・・・気まずいわ。早く移動したいっす。)
B美は看護師で名古屋の大きな病院で働いている。
「この後みんなで飲みに行くんでしょ?」
B美「うん!一応Aと友男さんとそういう流れになってます。」
「お酒は強いの?」
B美「ビールは飲めないけど、ワインはいけますよ~。」
「そっかー!冬のビールは冷えるしね。」
微妙に噛み合ってない、俺達はたわいもない話をしながら、友男とA子を待つことにした。
カップル同士で飲みに行くことに。
「おっ!早かったね。さてはカップルになった?」
友「おう。当たり前だ!」
友男とA子はずっとパーティーが始まってからや、フリータイムの時間もほとんど一緒に話している。
時間差でカップルになれなかった、沢山の人が出てくる。
ここからは男性たちの敗者復活戦(ハイエナタイム)がはじまる。
4人は巻き込まれないように会場から離れることにした。
「どこで飲む?近くの居酒屋でもいいか?」友男がいう。
もういいオッサンなのに、変にこじゃれた店を選ばないあたり、飾り気がなくていい。
とりあえずナディアパークの近くにある居酒屋に入った。ようやく酒が飲める。
YUTAROの横にはB美、友男の横にはA子が座っている。
「今日はお疲れ様でしたー!」杯が鳴る。
俺氏、同情でカップルだった。
友「いやあ、ちゃんとカップルになってよかったね。最初の鞘に戻りましたな。YUTAROが暴走したときはどうなるかと思ったよ。」
「いや、すいません。暴走してみたものの、結局だめでしたわ。お恥ずかしい。」
B美「まあ元気だしてよ!ほら枝豆食べな。」
B美が口元に枝豆を持ってくる。もぐもぐ。
「B美ちゃん、慰めてー!カップルになったんだからいいでしょー、その胸に抱きしめて!」
チラリと胸元をみると意外にもBの胸は大きく見える。
B美「あはは!YUちゃんって酒飲むとキャラ変わるんだねー!パーティーではおとなしめだったのに・・てか、あれは同情票だよ。女の子にアタックしに行ったのに泣きそうな顔で帰ってくるから。」
「な!本人の前でそんなこと言っちゃいかんよ!本当に泣くよ!」
友「まぁまぁ、今日は楽しく飲もうぜ。」
なぜか、全員が昔ながらの友達のように感じるのは、友男の持ってる馴れ馴れしい雰囲気に巻き込まれているおかげだろうか?
結局ピエロだったわけだが、楽しければそれでいい。
今日のパーティーで誰がかっこよかったとか、キモかったとか、可愛かったとか、ブサイクだったとか、あの女の子はサクラだったんじゃないかとか・・。4人でそんな話しで盛り上がる。
結局、二時間近く話して、
B美が、「私明日6時起きだから、そろそろ帰るね。」と言った。
お持ち帰りするヤツは根本的に違う。
友「お、YUTAROお前送って行ってやれよー。」
「そだな。んじゃ栄の入口まで送っていくわー。」
B美は一人でも大丈夫とか、悪いからいい、とか言っていたが。あなたには、同情票をもらった恩がある。
「じゃ・・ちょっと送って行くわ。」
と、友男の横を通り過ぎようとしたとき。
俺はA子の太ももの間に、友男の魔手が入っているのを確認してしまう!
(そういうことか・・そういうことかよ・・。ちくしょう羨ましいじゃねえか!)
B美を地下鉄栄駅の入口まで、送っていく。
B美「じゃあまたね。」そう言って彼女の姿が駅の中に消えていく。
YUTAROも少し時間を置いて地下鉄を降りる。
イチャついている二人の元へ戻ってもただの邪魔者だ。
YUTAROの実家の最寄駅の切符を買うと、それを改札にぶちこんだ。
友男よ、よろしくやれよ!やっぱりお前にはかなわないわ・・。