トランスフォーマーの後はご当地名物うなぎのせいろ蒸し!
ギュウウイイイイイン!
ウィーウィー!ガチャーン!
ドンドン!ドカーン!
映画上映が終わると二人はたくさんの観客と共に館内から吐き出された。
ちなみに俺はおしっこが近いのか、上映中もすでに2回ほど吐き出されていた。
「いやあ面白かった!」
魚「やっぱり映画館で見るとすごい迫力ですねえ・・」
「ほんと!迫力とスピード感がありすぎて何が何だか・・。」
魚「でも1の時のセクシーなヒロイン役の子がいなくて残念・・。」
「ほんとだよね〜あの子可愛かったのに。」
魚「どんな恋愛でも結局終わりが来るんですねえ・・。(遠い目)」
彼女が映画の話の事を言っているのか、現実の話を言っているのかわからない。
そしてなんだか心が痛かった。
「と、とにかくご飯でも食べて映画の話でもしようぜ!」
魚「そうですね!大きな効果音を聞きすぎたせいかお腹へっちゃった!」
「ああ・・それわかるわ。俺の場合は重低音聞き過ぎるとお腹痛くなるけど。」
魚「だから途中で2回も出てったんですか!お腹大丈夫ですか?」
「いやあれはおしっこと・・あれだよ。電話だよ。」
本当は2回ともおしっこだが、なぜか見栄を張る。
魚「それじゃあくうてん(JR博多シティの飲食街)でお店探しますか?」
「うん・・そうしよっか!」
二人は下の階にある飲食街へと移動する。
しかし週末であるせいか、どの店もめちゃくちゃ混んでいる。
(うわ・・こんなところで並んでまで食いたくねえ・・。)
せっかく同じ料金を支払うなら落ち着いた店がいい。
「あっうなぎ!俺なんか急にうなぎ食いたい!」
俺はうなぎを連呼し、催眠効果を狙う。
魚「ええ!うなぎですか・・?」
「もしかして長いし細いから嫌い?」
魚「いや・・ものすごく好きです!」
「じゃあうなぎ屋さん付き合ってよ。」
福岡と言えば「吉塚うなぎ」という名店があるが、地味に高いし、中洲にあるので却下。(この頃は存在も知らなかった)
・・ということで食べログサーチ。
「あっ・・あった。10分くらい歩くけど大丈夫?」
魚「ぜんぜんいけます。」
結局、東急ハンズで彼女の手芸用の買い物に付き合わされる。どうやらビーズでアクセサリーを作るのにハマっているらしい。
そんなお前・・すごく女らしいぜ!
博多駅前の「柳川屋」へ
・・うなぎ屋に入ったのは1時間後だった。
今回行ったお店は「柳川屋」という博多駅から10分ほど歩いたところにあるうなぎ屋。程よく空いている。
ちなみに中洲近くのリバレインなど福岡に数店舗を構える。※リバレイン店は美味い櫃まぶしも食べられます。
「何にする?」
魚「私はやっぱりせいろ蒸しです」
「んじゃ俺もそれにするわ。あとビール。」
やっぱりこの時間からはアルコールを入れていかないと始まらない。
ビールで乾杯!うなぎの骨せんべいをボリボリやりながら、しばし待つと「せいろ蒸し」が運ばれてくる。
せいろ蒸しは熱い!美味い!濃い!
せいろ蒸しとはなんぞや?という人のために説明すると、
タレが染み込んだご飯の上に焼かれたうなぎを載せて「せいろ」で蒸したうなぎ料理。
だいたいの店ではうなぎの上に錦糸卵が乗っている。
福岡県のうなぎのメッカとして知られる「柳川」では一般的な食べ方である。
ちなみに柳川といえば「どじょう鍋(どじょうを卵で閉じたやつ)」で有名なイメージだが、こっち人は大体がどじょう鍋ではなくうなぎを食いに柳川まで行くのだ。
「それじゃあいただきまーす!」
魚「いただきまーす」
もわん・・セイロの蓋をあけると、香ばしい蒸気が鼻をくすぐる。
そしてうなぎの柔らかい身とタレの染みこんだご飯を一緒にどうぞ。
「あつううううううううう!」
せいろ蒸しを初めて食うとだいたいこうなる。そして口の上顎が火傷でベロベロになる。
蒸されたご飯は想像以上にアツい。
「でも・・うま!」
魚「やっぱうなぎはせいろ蒸しですねえ〜」
ちなみにせいろ蒸しの味の感想は「熱い、うまい、濃い、腹にたまる」だ。
タレがご飯に染みこんでいるので味は結構甘っ辛く濃い目。薄味地方の方は評価が別れるかも。
そしてご飯が圧縮されているので熱さと戦っているうちに結構お腹がいっぱいになる。
そんなご当地フードがせいろ蒸しなのだ。福岡に来たらぜひ食べてみてちょ!
「ああ・・お腹いっぱい!」
魚「美味しかった〜しあわせ♡」
「よしもう一軒!」
魚「マジですか!?」
幸せムードから一転。「危険」が迫っていることをまだ二人は知らない。