「前の彼女さん気が付かなかったのかな?」彼女が風呂掃除した後のセリフ
花見の後は近くにある『もーもらんど油山牧場』に行き、二人で芝生を散歩した。
「おお!めっちゃ景色いいやん!」
苺「ほんと!晴れて良かったね。」
高台にあるため、眼下に福岡の街が見える。
んでお約束のソフトクリームを食う。
やっぱり腹が緩くなるが、そのぐらいの罰は大した事では無い。
そこから山を超えて那珂川町にある『中ノ島公園』までドライブ。
ここでも桜がキレイに咲いていた。
川端で遊ぶ子どもたちの甲高い声が聞こえる。
記念に二人で写メを撮る。
苺女は写真をたくさん撮りたがる。これも若さゆえだろうか。
そんな感じで苺女と付き合って初デートは終わりをつげた。
(今日はかなり動き回ったせいか・・疲れた。 )
彼女は助手席でキャッキャ!とはしゃいでいる。
彼女を連れて家に帰ると夕飯の時間だ。
彼女が夕食を作ると言ったが、弁当も作ってもらったしので、さすがに申し訳ない。
夕食は出前館のうどんで済ませることにした。
テレビでは開幕したばかりのプロ野球が流れている。
うどんを食い終わって、熱心に試合の行方を見守っていると、
苺「ああ!!そういえば!」
そう言って彼女は部屋を出て行く。
(な・・なにごと?)
彼女が(車から)持って帰ってきたものは『マイ枕』だった。
苺「枕が変わるとどうも寝付きが悪くて・・二つあるうちの一つだけど置いてっていい?」
「あ・・いや・・別にいいけど・・。」
俺の部屋に彼女のものが増えると言う事は、それだけリスクが大きくなる。
まあ枕なら、見つかっても言い訳もたちそうだけど。
オッサンが放つ加齢臭まじりの臭いと、髪の量が多い彼女のシャンプーの臭いではかなり違う。
勘が鋭い人間なら気がつくかもしれない。
ということで彼女がいない間は枕をクローゼットに隠すことにした。
そんなこんなでもうすぐ0時だ。
平和な一日が、もうすぐ昨日になろうとしている。
苺「YUちゃんお風呂借りてもいい?」
「お!いいよ!洗顔オイル買っといたから使ってちょ。」
苺「うん!ありがとう。じゃあお先にいただきます。」
風呂掃除は入念に行った・・はず。
髪の毛は残っていない・・はず。
頭の中で確認作業を行う。
きっと大丈夫。きっと大丈夫。
彼女がシャワーから浴びて出てくる。
苺「お先でっす♡」
「おおう。」
苺「お風呂場掃除しといたよ。」
「マジで?汚れてた?おかしいなあ・・。」
苺「排水口とか、パッキンの隙間とかちゃんと掃除してないでしょ?」
「えーと・・そこら辺はズボラでして・・。」
苺「前の彼女さんとかそういうとこ気が付かなかったのかな?女としてダメだよね。」
いやいや・・キミも洗面所でゲロ吐いたやん?
「え?え?あー・・うん。」
これってカマを駆けられてるんだろうか?
それにしても『家事できる系ガール』は細かいところに気が付きすぎて危ない。
こうも色々あると、うちの風呂場や洗面所は風水的にヤバい気がしてくる。
とにかく俺の中の警戒レベルは、厳戒態勢へと突入していく。