名残惜しき最後の夜はアッサリと
紆余曲折を経て、明日は名古屋へ向かう日だ。2年近く住んだ札幌の部屋にも今日別れを告げてきた。
思い出深いあの部屋にはもう帰ることはできない。
今はどんな人が住んでいるのだろうか?
とにかく引越しに間に合って良かった・・・。
「いや~!すごく綺麗に住んでもらってありがとうございます。」
マンションの管理会社もそう言ってくれた。
この様子だとおそらくYUTAROの住んでいた部屋の退去費用はそれほどかからないだろう。
それよりも大阪子の住んでいた部屋が問題だ。
まだ半年ほどしか住んでいなかったにも関わらず「タバコのヤニと臭い」が部屋のクロスについているらしく、
「あ~あだぶんこれだと全面張り替えになりそうですね~w」的なことを言われた。
見た感じほとんど汚れていないのだが、なんだかんだで向こうは金が欲しいのだろう。あまり印象の良くない会社だ。
さらに2年以内に退去するのでその分の解約違約金(1か月分の家賃)が発生する。
クロスの張替えは納得出来なかったが大阪子が実家に帰っているので、退去はYUTAROが立ち会うしかなく、仕方なくハンコを押すしかなかった。
なんだかんだで2か月分くらいの家賃が精算金として吹き飛んでいく。イタすぎる・・。
こういうムダな出費が新婚生活&子供用品で物入りな時期にかなりの痛手となりそうだ。
ということでもう帰る部屋はなく、今日、YUTAROと大阪子は札幌にあるプリンスホテルに泊まっている。(意外と安くて都心にあるのでオススメでっせ。)
そしてホテル近くの焼肉屋で夕食をとることにした。
「札幌で二人で飯食うのは最後やね。・・あと当分の間は外食はなしね。」
大「今日はいろいろお疲れ様でした。」
ビールとウーロン茶のグラスがカチリと音をたてる。
早起きが続いていたのとお酒をしばらく絶っていたのでビール一杯であっという間に酔いが回る。
明日は朝一から車に乗って日本の半分の国土を走り続け抜かなければならない。苫小牧から太平洋フェリーに乗って名古屋へ向かうという手もあったが車を載せると金額的大変なことになるので断念。
名古屋での引っ越し作業は「3日後」の昼からだ。そこから地獄の引っ越し作業が始まるというわけだ。
大阪子は妊娠中のため、大事をとって引っ越し作業には参加せず、札幌のこのホテルにとどまって三日後に名古屋の新居に来ることになった。
説明すると。
①明日、車に乗って名古屋まで帰る(タイムリミット46時間)
②明々後日に管理会社から鍵をもらって引っ越し作業。
③引っ越しの翌日、大阪子が飛行機でやってくる。
という流れのハードスケジュール。
長距離のドライブに加えて、ハードな引っ越し作業が待っているので、俺の心臓は耐えられるだろうか?
大「明日から大変だからお肉いっぱい食べとくんやで。お酒もね!」
「おう!カルビをご飯にワンクッションだぜ!でもビールは二杯までにしとくわ・・寝坊したらやばいし・・。6時起きやし。」
大「明日は私が起こさないとね!でも運転気を付けてよね・・早速事故死されたら洒落にならんから、生命保険もまだかけてないし・・。」
「おい!縁起でもないことを!てか生命保険とか・・お前、眼の奥の光が怖いわ・・。」
大「ふふふ・・・。」
そんな感じで札幌最後の夜はアッサリとすぎていくのだった。夢でも見るかと思ったけど・・。
俺にしてはとりあえず有終の美を飾れたんではなかろうか?