真面目系の彼女は落ちるのか?
住吉ではオカマに絡まれたりとハプニングもあったが振り返ると充実して楽しい一日だった。
「タクシーで帰る?」
魚「涼しいしせっかくだから歩いて帰りましょ。」
住吉から美野島までは歩いてもそれほど遠くはない距離だ。
俺は彼女の手を取りうっすらと街灯のともった通りをゆっくりと歩き出した。
柔らかく温かい彼女の手のぬくもりが伝わってくる。
くだらない話で談笑をしながらも、心臓はいつもよりも少しだけ早く鼓動を打っている。
はたから見れば二人は間違いなくカップルだ。(援交に見えないこともない。)
(今日は・・ヤレる!絶対にセックスしてやる)
ロマンティックな空気の中で俺の脳内はやはりゲスなことを考えていた。
今日一日を振り返る。
- 楽しい映画(トランスフォーマー)
- うまい飯(うなぎのせいろ蒸し)
- 少しのハプニングと恐怖(オカマ)
- イチャつくいい雰囲気(家までの道のり)
全てが揃っている。ここまでは完璧だ。
きっと彼女はこのまま俺の家に泊まることになるだろう。もう逃さない!
「魚女ってほんとに綺麗な唇してるよね。」
魚「え?本当ですか?初めて言われました。」
「ほれ・・プルプル。」
魚「んもう・・。」
彼女の唇を触りつつ。密かにセックスアピール。
魚「もう・・人が見てたら恥ずかしい。」
唇を触りまくっても彼女もそこまで嫌がらないし、なんかエロい。
うなぎの精力増強効果で息子がたぎってくるのを抑えつつ家路を急ぐ。
「ただいまー」
魚「お邪魔しまーす。」
タバコ臭い部屋に、彼女の香水の匂いが混じった。
「オラオラあ!」
魚「えっ!ちょ!」
ガバッ!部屋に入ると同時に彼女をソファに押し倒す。
今まで必死に押さえつけていたものが堰を切ったように流れだす。
心臓が躍動し、血液が血管内を勢い良く流れだした。アドレナリンは最高潮だ。
魚「ん!!」
彼女の唇に俺の唇を重ねながら舌をねじ込む。
そしてシャツのボタンを荒々しく外した。そして肌着の上からその大きな乳を揉みしだく。
ここまでしてしまった・・訴えられたらアウトだ。
魚「ん・・んん・・。」
彼女の鼻から吐息のようなものが混じりだす。もう少しだ・・もう少しで落城だ。
彼女の口を強く吸う。
その時。俺と彼女のつながりを引き離そうとする強い力を感じた。彼女の手だ。
ま、負けるもんか!俺は再び彼女の口の中へと舌を潜りこませる。
魚「んん!!」
デシ!
「あう!」
舌の真ん中あたりに強い衝撃が走る。そしてじんわりと痛みと熱が伝わってきた。
彼女が俺の頭に「チョップ」を入れたのだ。
自分の歯で自分の舌を噛んだ形になった。まるでギロチンの刑だ。
(舌出してる時に頭叩いたらダメだってば・・泣)
噛んだあたりを指で触って確認すると薄っすらと血が付いている。
魚「こら!」
「だって・・セックスしたくなっちゃったんです。」
魚「子供みたいな事言わないの!」
魚女は子供に言い聞かせるかのように笑顔を引きつらせながら声を荒げた。
(あっ・・この人、笑いながら怒るタイプだ・・。)
魚「この前も言ったけどちゃんとお付き合いしてからじゃないとHしたくないです。」
「絶対に?」
魚「絶対に!」
「永遠に?」
魚「永遠に(笑)」
貞操観念と真面目さを兼ね備える彼女
そう彼女もまた付き合っていないとセックスをさせないタイプ。古きよき考えの女だ。
そんな考えを持つ彼女達は「貞操観念」と「真面目さ」を持っており、順を追って事をすすめる「計画性」、そして女性としての「プライド」を兼ね備えている。
ちなみに付き合うという事実があれば、あっさりとHさせてくれるので、
「付き合おう!」「俺たち結婚しよう!」を連発して口説くようなチャラ男にはすぐ騙されたりもする。
また固く見えるが、自分のタイプの男性が現れるとあっさりヤラれちゃったりもする。
「それじゃあ・・」
魚「うん。」
魚女の顔が一瞬緊張でこわばる。
「もう少し考えさせてください。」
魚「考えるんかーい!」
わずか一週間の間で同じ言葉を二度も吐くことになるとは思わなかった。
こんなことは俺の一生で二度とないだろう。