プレゼントも交換したし!さあラブホへ行こうよ!
デザートを食べて、無事?クリスマスプレゼントの交換も済んだ。
正直な話、プレゼントに「腹巻」と「ももひき」を貰ったことはちょっと複雑な気持ちだ。
ラッピングをしてくれたLOFTの店員さんも「きっとお父さんかおじいちゃんへのプレゼントなんだろう・・ふふっ」と微笑ましく思ったに違いない。
それが「彼氏」へのプレゼントだとは思いもしないだろう。
ちなみにLOFTは俺たちがディナーを楽しんだイタリアンレストランのほぼ目の前にある。
(これ・・もしかすると、さっき買ったんじゃないの・・。)
・・と少し切ない気持ちになった。
それでも目の前には俺の送ったネックレスをこれでもかという笑顔で喜んでいる彼女がいた。
こんなことでへそを曲げても面白くない。今日という日を楽しまなくてどうする。
(微妙なプレゼントの分は体で返してもらうぜよ。)
今日は日本のクリスマスイブ、恋人達がやることと言えば、結局一つである。
「よし、さっそくこの腹巻をつけさせてくれや!」
勢いよくお会計を済ませて、店を出ると、俺は衛生女の手を引いて歩きだした。
渡辺通をまたぐと、そこは今泉ゾーン。
多くの飲食店が点在する地域だが、もう一つの顔が「ラブホテル街」だ。
衛「ってか次はどこ行くの?」
「そらもう・・ラブホテルだべ?」
衛「ええ!もう?」
「・・うん。」
衛「まあ・・別に良いけどさ。」
衛生女もまんざらじゃないのか、恥ずかしそうな表情でつぶやいた。
一瞬、彼女の鼻の穴が大きく広がるのを俺は見逃さなかった。
それは彼女の内に秘める強い性欲の「意思表明」だろうか。
「今日は週末のクリスマスイブだし、もしかすると満室で何件か回ることになるかも?」
衛「・・それはちょっと恥ずかしいね。知り合いとかにバッタリ会いそうだし・・でも仕方ないね。」
「もう家に帰ってやったらいいやん。そっちのほうが安上がりだし。」と思う人もいるかもしれないが、こういう特別な日だからこそラブホに行きたくなる性分なのだ。
三角形の形をした今泉公園(通称、三角公園)の付近にはラブホが点在している。
この辺りを効率よく攻めていけば、なんとか空室にありつけるはずだ。
まずは「ホテルXYZ」だ。
入ってみるも早速「満室」の洗礼を食らう。
「よし次や!どんどんいくぜ!」
衛「あいよ!」
ラブホを彷徨う恥ずかしい二人。救われるのが今泉界隈がそこまでラブホ街っぽくないことだ。
次はXYZの近くにあるホテルキャス・ヴィ・○イエルというラブホ。
「上ランクの部屋」と「特上ランクの部屋」が空室となっている。
特上ランクは週末料金と重なって「これなら温泉旅行行った方がええやん」というお値段だったので、上ランク一択だ。
「ううむ・・やはり高い。」
衛「どうする?私も半分出すよ?」
「半分は悪いけん、4千円だけ出してくだせえ。」
衛「うん。わかった。」
(・・ラブホ代も全部出してやれない甲斐性無しで申し訳ない。)
俺はうしろめたい気持ちを抱きながら部屋の選択ボタンを押すのだった。