帽子を外して気分スッキリ!猫の話が止まらない!
俺はとうとうカス美の前で帽子を外してしまった・・。
「かわいい頭」と言ってもらえたので、「ハゲキモい!」と嫌われてはいないようだ。
・・助かった。
テンションが少し回復した俺は再び帽子をかぶり、彼女と飲むことを再開した。
「じゃあ乾杯ね!お酒なに頼んだの?」
彼女の前にはハリウッド映画で見るような三角グラスが置かれている。
グラスの中は南国の綺麗な海のように青く輝いていた。
カス美「えっと・・チャイナブルーってカクテルです。さっぱりして飲みやすいんですよ。」
ちなみに三角にグラスに入っている場合、基本アルコール度数は強めである。(バーテンの友達いってた。)
こいつ・・今日は酔っぱらう気だな。
「キレイで美味しそうなカクテルだね。」
カス美にぴったりだぜ。
カ「何だったらちょっと飲んでみます?」
「いいの?」
カス美が口をつけた辺りが口紅でマーキングされている。ガッツリかぶせるのはマナー違反なので口紅の端っこをいただく。
グビグビ・・なにこれ・・うめえ。
カ「もう!YUさん飲み過ぎ!ほとんど残ってないじゃないですか!酔っぱらっちゃいますよ?」
しまった!三角グラスのお酒は強いんだった・・。
俺は酒を薄めるのに自分のジントニックをチェイサーにして飲んだ。・・これも酒だった。
「ごめんごめん・・美味しくて・・新しいの頼んでいいから。」
カ「YUさんってなんかかわいいね・・」
俺はかっこいいと言われることは皆無だが、この30代の年になっても未だに「かわいい」と言われる。
女ってのはわからん。精神年齢の低さだろうか?
カ「じゃあこのグラスホッパー飲みたい。」
これは知ってる。チョコミントアイスを溶かしたような味のカクテルだ。
ちなみにこれも大体「三角グラス」で出てくる。
「おお結構飲めるね!今日は酔っぱらう気かな?」
カ「お酒好きだからwでも明日は仕事だから二日酔いになるほどは無理だけど。」
ベロベロになるまで飲んでいいのだよ?
カ「ねえねえYUさんこれ見てくださいよ~」
カス美が携帯の画面を見せてくる。
「ん?ね、ネコ?」
カ「うちの猫なんですよ~雑種ですけどw可愛いでしょ?」
「うん。なかなかイケメンだね。」
カ「ちなみにメスですw」
「じゃあ美人さんか・・。」
カ「YUさん猫派です?それとも犬派?」
「断然猫派だわ!(実はどちらかというと犬派)」
カ「ですよねぇ、この気まぐれなところとか仕草がたまらない!」
猫派の彼女に火が付いた。
「今いくつなの?」
カ「まだ2歳なんですよ~捨てられてるの拾ったんです。」
「優しいね!もはやマリア様だね。もう俺のマリア様になってよ!」
カ「段ボールの中でガリガリ衰弱してて見捨てられなくて。今はブクブク太っちゃいましたけどw YUさんはペット飼ってないんですか?」
・・大事なとこ聞いてねえ。
「俺はペット飼ってないよ。福岡来たばかりだし。実家はワンコ飼ってるけどね。・・あと近所のノラ猫を手なずけてたよ。」
カ「えー!そのノラちゃん飼ってあげなかったの?」(犬の話はスルー)
「実家がペット禁止のマンションだったから・・。」
ネッコの話をすると我を失うカス美。きっと愛情深い女なのだろう・・犬の話はスルーだけど。
そんな感じで二次会は猫の話で盛り上がる。・・というより付き合わされる。
「なんか○○ちゃん(猫の名前)の話聞いてたら触りたくなっちゃったな・・会いに行っていい?」
カ「え?会いたいんですか?」
「・・ダメ?」
カ「全然!○○も喜ぶと思います!」
部屋が汚いとかで断られるかと思ったが意外なOKに戸惑う。
「今からだけど?ほんとにいいの?」
カ「大丈夫ですよ!コーヒーいれますよ!」
「お、お会計おなしゃーす!」
彼女の気が変わらないうちに俺はスグにお会計をした。
知り合ったばかりの男をこんなに簡単に、こんなに無防備に家に入れてはいけないと思う。
そしてカス美は付き合ったらスグに親を紹介するタイプだと思う。
次回はどうなる俺たち!?