ボクは「陸の孤島」宮崎で出会う
宮崎という県は、九州地方においてしばしば「陸の孤島」扱いを受ける。
高千穂や青島海岸など観光地にも恵まれているのに、宮崎県はなぜか足を運ぶのがめちゃ面倒くさい。
いちおう「九州自動車道」⇒「宮崎自動車道」と高速道路も通っており、福岡からの移動距離は鹿児島と大差はない。
しかし、宮崎県に向かう途中で大分県を通過したり、熊本県を通過したりするので、
「大分で温泉入ってく?」
「遠いから熊本にしようぜ♪」
・・となってしまう。
「ゼッタイ宮崎に行く!」という強い意志がなければ、宮崎にはたどり着けないのだ。
例えるならワン〇ースのグランドラインの奥にある「新世界」みたいな感じである。
また、宮崎県が行きづらいイメージが根付いているのは、やはり新幹線が通っていないことだろう。
新幹線なら目的地まで強引かつ確実に運んでくれる。宮崎に向かう道中で発生する「優柔不断な選択肢」に負けることもない。
そして俺はそんな宮崎県に向かっている。
(鹿児島市から宮崎市まで140キロもあんの?・・ツライ。)
優柔不断な俺が迷いもなく宮崎へ車を走らせているのは、「宮崎の女子に会いに行く」という強い目的があるからだ。・・目的がなければ到底行かない。
説明が長くなってしまったが、今日は一年半ぶりに宮崎でのアポだ。
前回、宮崎に来た時は子持ちのシングルマザーと一夜のアバンチュールを楽しんだ。
前回の宮崎アポの話⇒宮崎の元その1
さて、今回はどんな出会いが待っているのだろう?
午後5時、宮崎市入り。
午後5時、俺はようやく宮崎市の都心に入った。
「んおぉ~!ヤシの木めっちゃ生えとる!」
道路の中央分離帯には背の高いヤシの木が並んでいて、これでもかと南国臭を感じさせてくれる。
でも、テンションは上がりきらない。
俺はまだ「賢者モード」を引きずっていた。
昨夜のエンドレスなハードセックスのせいで、首まで筋肉痛だ。
出会い系の旅は鹿児島へ続く。まぶたが開く。俺はそのまま動かずに、しばらく天井を見つめていた。あれほどだるかった体も、嘘のように軽くなっている。 「ヤッター!カゼ治った!」 一時はリタイ[…]
今日はマッタリとアポを楽しみ、カワイイ宮崎弁と美味しい焼酎に身をゆだねよう。そう思ってる。
ラブサーチで出会った人見知りな宮崎ガール
さて、今日のデート相手のご紹介をさせていただこう。
名前 | ヤシ子 |
年齢 | 20代後半 |
出会ったサイト | ラブサーチ |
ヤシ子はメール開始から一ヶ月経っても、いまだに敬語で会話してくる。もしかすると人見知りが激しい女の子のかもしれない。
写真で見たヤシ子の顔立ちは南国だけに濃い目。得に目がクリッとしている。YUTAROの好きなタイプの顔である。
ただし、体型に関してはデブなのかスリムなのか未知数。
本当かどうかは知らないがヤシ子は出会い系でまだ誰とも会った事が無いらしい。つまり、出会い系初心者の中でもガチの初心者。
すでに何人かの男性と会っている女性は、比較するクセが付く。そうなる前に会うことができたのは、俺にとって大きなチャンスと言える。
待ち合わせ場所は山形屋
繁華街にあるコインパークに車を止めて降りる。俺は本日初めて、宮崎の地面をスニーカーで感じた。
繁華街は思った以上に人通りが多い。宮崎も捨てたもんじゃない。
「えーと・・山形屋の連絡通路の下にいます?変な待ち合わせ場所だな・・。」
山形屋は宮崎、鹿児島などに展開する総合デパートだ。
(連絡通路って・・ここかしら?)
連絡通路の下を待ち合わせ場所に指定するとは・・チョット変わった注文だ。だけど逆に分かりやすいかもしれない。
(この場所なら人ごみに紛れて、俺のことをこっそりと観察できるな。)
そんな事を考えると、自分がどこかから狙われているような気がしてソワソワしてくる。
待ち合わせ場所の前を、若い女子が目の前を通り過ぎる。それを俺は目で追った。
「・・この子じゃない。写真と違う・・。」
美人な子が近くに寄ってきた時は心臓が高鳴った。
太陽は完全に沈み、暗闇が訪れた。
俺に向かって一人の女性がやってくる。携帯と俺を交互に見ている。きっとアレに違いない。
女「YUTAROさんですか・・?」
小さな声で俺の名を呼ぶ女性。ビンゴである。
宮崎美人の方言に萌える!
名前を呼ばれただけなのに、言葉のイントネーションに違和感を感じる。
福岡の博多弁が標準語に聞こえるほど、宮崎の「なまり」は強烈だ。
さらに方言まで混じれば、何を言っているのかわからないレベル。
ちなみに宮崎弁は喋り方が「モゴモゴ」していてとても可愛い。そのなまりが醸し出すいい塩梅「ゆったり感」に、オジサンはいつも癒されてしまう。
仲里依紗似の女の子。服のセンスがダサかった。
さて、ヤシ子である。
目のパッチリとした顔立ちは写真の通りで、「美人」と「可愛い」を兼ね備えていた。
芸能人で言うと「仲里依紗」に似ている。昨日会った谷山子よりも顔立ちはタイプだ。
だがしかし・・彼女は服装がダサかった。
俺も服装で人にどうこう言えるレベルではない。その俺が「これはない」と思えるダサさ。
ヤシ子が着ているのは、
- 厚手の青パーカー
- ボーダーのインナー
- ストレートジーンズ
- 白のスニーカー
・・だった。にじみ出る「しまむら臭」。まるで小学生の遠足だ。
ボーイッシュすぎる恰好のがいけないのか、サイズ感が合っていないのか、上半身は細いのに、下半身が太めな「土偶体型」がいけないのか・・。
(とにかく・・ダサいんだなぁ・・。)
これは「山形屋でカワイイ服を買ってね」という暗示だろうか?
(・・買ってやりたい。だけど俺には金がない。)
「さ、ご飯でも食べに行きましょ♪」
顔がタイプだから、まいっか!
ヤシ「あの・・わたしこういうで会うの慣れてないんですけど・・今日はよろしくお願いします。」
緊張した面持ちでヤシ子は言った。
性格も良さそうだから、まいっか!
彼女は磨けば光るダイヤモンドの原石。
「お酒は飲めるんだっけ?」
ヤシ「はい。お酒は好きです。仕事終わったら晩酌とかもします・・。」
「へえ・・晩酌するんだ。いつも何を飲むの?」
ヤシ「ビールからはじまって・・次は焼酎ですね。」
「お!さすが宮崎女だ!お酒強そうだね。」
居酒屋に移動するまでの間、俺とヤシ子は会話して歩いた。
とても緊張している様子ではあったけれど、その綺麗な顔立ちに強烈な宮崎なまりがとてもキュートに思えた。
なにより、ヤシ子の豊かで艶やかな黒髪が魅力的だ。
呪われたハゲの遺伝子を持つ俺からすれば、真っ先に子孫を残すべき対象だ。
(・・その遺伝子・・喉から手が出るほど欲しい。)
上半身の細さに反比例して、ドテッとした安定感のある下半身。きっと健康な子供をたくさん産んでくれることだろう・・。
(服のダサさなんて、今すぐにでも変えられる。)
磨けば光るダイヤモンドの原石は、俺の横にいたのだ。
酔うと記憶を無くす女の子に「しめしめ」
「ワインとかカクテルは飲まないの?」
ヤシ「あんまり飲みませんね~甘いお酒が苦手で・・ワインも酸っぱい感じがしてちょっと・・。」
「ウイスキーは?」
ヤシ「ハイボールだったら飲みますよ。」
「ヤシ子ってお酒強そうだね。」
ヤシ「周りの友達と比べたら、わたしは弱いほうです。」
「ふ~ん・・ちなみに飲んだらどうなるの?」
楽しくなる。眠くなる。エッチな気分になる。さあどれだ!
ヤシ「えーと・・記憶をなくします(苦笑)」
記憶を失くす?ほほぉ・・それも悪くない。
「あはは!どんだけ飲んだらそうなるの~?どんだけ~!」
あえてIKKOのマネをしてヤシ子の懐に飛び込んでみる。ビビるほど全くウケなかった。
ヤシ「焼酎で言ったら一升(約1.8リットル)くらいですかね。」
「・・い、一升・・!?」
宮崎人の「お酒弱い」を信用すべきじゃなかった。
とにかく、彼女が俺よりも先に記憶を失くすことはなさそうだ。安心だね。
優柔不断は禁物。デートの店選びは男らしくリードせよ。
(・・ビールと焼酎が好きなら、和食のほうが良さそうだな。好き嫌いがあるかもしれないし、ヤシ子にも聞いてみよう。)
俺が優柔不断さを発揮しようとしていたその時だった。
ギュルルルルル!
突然、俺の腹が大きく鳴いた。
間髪入れず、勢いよく「何か」がケツから飛び出しそうになる。
(これはオナラ?・・それとも?)
いつもなら「スカシの術」で何とかごまかす事もできた。
しかし今日の俺は腹を壊していた。宮崎に来る途中、5回もトイレに駆け込んでいる。
原因は鹿児島の「豚トロ」で濃厚な豚骨ラーメンを食べたから。
豚トロのラーメンは旨かった。だけど俺は豚骨スープを消化できない体に改造されていたのだ。
「おっ!この店良さそう!ここに決めよう!」
俺は急ぎ足で居酒屋の中に入っていく。有無を言わさず。彼女に相談もなく。
今日の俺は優柔不断じゃなかった。男らしくリードした。だってウンコがしたかったから。
嘘を付く男
「ご、ごめんちょっと席外すね。仕事先から電話がかかってきてたみたい。」
俺はウソをつくのが下手だ。でもトイレに行くための嘘は上手かった。
バタン!
俺はトイレのドアを開け、ズボンとパンツを膝まで下げると、すぐさま便座に座り込んだ。
プッシャー!!
ケ〇から消化されない豚骨がそのまま飛びだした。
(危なかった・・俺の判断は間違っていなかった。)
苦難を乗り切り、余裕ができた俺は携帯のチェックを始めた。喉元過ぎればなんとやら。
(ん?こ、このメッセージは・・!)
筑「YUさん今日会えませんか?会社の飲み会が終わってからなので、10時過ぎになんですけど・・。」
選択肢が降ってきた。突然に。