さて迎えに行きますか?でも愛車の調子がおかしい。
もうすぐ百合子に会えるとなると、胸が高鳴った。
二か月ぶりにその顔を見ることができるのだ。俺が福岡に住むことになった理由の一つでもある。
それに今日こそは彼女をモノにしたい・・。やはり彼女には特別な感情を抱いている。
身体だけの彼女たちとは関係は違うかもしれないが・・。
車に乗り込むと鍵を回してエンジンをかける。
「んん?おかしい。エンジンかからない。」
何度も回すがうんともすんとも言わない・・。おい!どうした!相棒よ!
どうやらバッテリーが上がっているらしい。
スイッチ類をよく見ると、ライトが点いたままになっていた。
「だ、誰がこんなひどいことを・・(俺です。)」
とにかくエンジンが死んでるわけじゃなさそうなので、愛車にはぐっすりと眠ってもらって急ぎタクシーで博多駅に向かう。もう時間がない。
「あっここでいいです。」
博多口の向かいにタクシーを停めてもらう。すっかり立派になった博多駅を見上げる。
「よく見るとちょっと札幌駅に似てるなあ・・。」
そんなことを思いながら携帯を手に取る。
「もしもし?今どこよ?」
百「今、なんか入り口あたりにある長いエスカレーターばい。車大丈夫やったと?」
「うーん、バッテリー上がりみたい。すぐ着くから待ってて。」
とりあえず入り口あたりを見渡すと、シュッとした格好の百合子がいた。
彼女は若干ハタチには見えないほど大人びて見える。
とりあえず誉めとけ!二人はバスでマリノアへ
「お待たせ~♪うほー!今日めっちゃキレイやん!スカート似合ってるね!」
誰かが言っていた。女性と上手くやっていくには1日1回は誉めろと。とりあえず実践してみる。
百「ふふっ本当?・・てか久しぶり。二か月ぶりだね。本当に福岡に来たんだね。」
少し照れくさそうに百合子が言う。急に子供っぽく見えてしまう。
「おおう!まだ部屋には何にもないけどね・・。それより車出せなくてごめんね。」
百「仕方ないよ。でもどうやってマリノア行くの?」
「さっき調べたら博多からバスで行けるみたい。」
ということで俺たちは「バスデート」を楽しむことになった。
バスなんて乗るのは超絶に久しぶりである。
バスはゆっくりと博多の街を西へ進んでいく。ハンドルを握らなくていいのは楽だ。
「今日はなんか買うと?」
百「うん、靴とシャツが欲しくて。YUちゃんは?」
「俺はとりあえずご飯が食べたいね。」
百「食意地はってるね~だからお腹タプタプなんだよ。」
ぎゅううっとお腹をつままれる。
「なにを!お前だっておっぱいでかいじゃん!」
百「お前って言うな!」
「・・ごめん。」
迷惑な客二人はテンションを上げながら、約一時間かけてマリノアシティに到着。
百「お!磯の香がするね。」
「そう・・?てか百合子は山育ちだけど。磯の香なんてわかるの?」
百「ぐぬ・・YUちゃんって大人げないよね。」
「それ・・よく言われるわ・・。」
ということで、デートはいつも通りではじまった。とりあえずは平和である。