泥酔女を俺の部屋へお持ち帰り
彼氏にフラれた苺女と共に、居酒屋から俺のマンションへ。お持ち帰りは鮮度が大事だ。
(彼女の気が変わらないうちに、さっさとタクシーで我が家へと向かっちゃお♪)
苺女は目を座らせながらも、時折、複雑な表情を浮かべている。今さっき恋人と別れたばかりだからだ。
座席の足元にはコンビニのビニール袋がある。
袋の中には、苺女が買ったカップの日本酒と焼酎、チューハイなどが大量に入っている。
彼女はあまり酒が強くない。これ以上アルコールを摂取させるのは危険だ。
だけどフラれた時くらいは、ヤケ酒をさせてやるべきかもしれない。
(えっと・・救急車って117だったっけ?)
俺は少し心配になりながら、我が家に到着する。
取り扱い注意!泥酔女とセックスをする時の判断
酒に酔っている女の子は、セックスにも持ち込みやすい。しかし、泥酔女ともなると取り扱いに注意しなければならない。
ここでYUTAROが注意している点をあげておこう。
- ゲロを吐いたらセックスよりも介抱。
- 意識がない女は絶対に手を出さない。
どういうことか、解説も加えていこう。
ゲロを吐いたらセックスよりも介抱。
ゲロを吐いたらセックスに持ち込むのは危険。
ゲロを吐くレベルになると、相手の女の子はかなりの酩酊状態であることが予想できる。
急性アルコール中毒の一歩手前になっている可能性もあるので要注意。
そもそも、ゲロの臭いをまき散らしている時点で雰囲気は台無し。セックスする気も失せるはず。
ちなみにYUTAROもエッチの最中に女の子がゲロを吐いたことがあるが、後片付けも大変である。(それに興奮する人もいるらしいけど・・)
また、ゲロによって窒息する可能性もあるので、セックスよりも介抱に徹することをオススメする。
ゲロを舐めてはいけない。YUTAROの大好きな海外ドラマの『Breaking Bad(ブレイキングバッド)』では、ジェシーピンクマンの彼女がゲロを詰まらせて死んだ。(ドラマですけど)現実でもそういうケースは少なくないのだ。
意識がない女は絶対に手を出さない。(レイプになるかも?)
YUTAROは女の子の意識がなかったり、朦朧としたレベルになっていたら、絶対に手を出さないようにしている。
飲んでいるときは、女の子仲良く過ごせていたとしても、同意のないセックスはレイプになる可能性があるからだ。
巷ではガンガン酒を飲ませて、女性の意識を失わせてから、お持ち帰りをするゲス行為も絶えない。
例えば、某有名ナンパ塾の塾長、塾生たちが、女の子の意識が無くなるまで酒を飲ませて、乱暴していたことで逮捕されている。(しかもハメ撮りまでしていた。)
関連:最後まで「冤罪」を主張したリアルナンパアカデミー塾長と「性的同意」
関連:元塾生が明かす「リアルナンパアカデミー」卑劣な強姦マニュアル
つまり、このやり方はナンパでも何でもなく、犯罪であることが証明されているわけだ。警察に被害届を出されたら、職を失うどころか人生終了である。
YUTAROのブログを見ている男性諸君も気を付けて欲しい。
さて、物語の続きをはじめよう。
恋人の痕跡を消していく。
急いで家を飛び出したから恋人(衛生女)の痕跡が残っていないか心配だ。
俺は恐る恐る、玄関のドアを開ける。タバコの臭いと消臭剤の香りが混ざった臭い・・ここは紛れもなく俺の部屋だ。
この部屋に住んで一年。家の中に知らない人が入ってきたことが二回。共用廊下に知らないオッサンが寝ていることもあった。
うちのマンションの住民達は、頭のおかしな人が多いのかもしれない。そして、俺もおかしな住人の一人である。
「散らかってるけど、入ってちょ。」
俺たちはソファに腰掛け、コンビニで買ってきた酒を手に取った。とりあえず乾杯。
(やばい・・落ち着かない。ミスを犯してないか?)
俺は部屋をチラチラと伺う。彼女が酔っていなかったら、俺の仕草に不自然な点を感じただろう。
「ちょ、ちょっとトイレ行ってくるね。」
トイレに入ると、早速ミスが発覚。
衛生女の生理用品が入っている小箱が棚にそのまま放置されている。
俺は小箱をトイレのタンク下へと隠す。
(あ、危なかった!他に隠すものは・・?)
洗面所にはピンク色の歯ブラシと女性用の洗顔フォームが発見される。
俺はそれを引き出しの奥へと移動させる。
次は風呂場のチェックだ。ボディタオルがタオルかけに二つ並んでいる。
これもチェックが厳しい女だったら、気が付くかもしれない。
ヤケ酒のペースがヤバい。急性アル中が怖い。
(ふぅ・・これでよし・・と。)
ようやく安心して苺女のいるソファへと戻る。ちょうど彼女が日本酒のカップを空けているところだった。
「ちょ!もう一本飲んじゃったの?そのペースはヤバいよ!」
苺「まだ残ってるけど、日本酒が飲みたいの。YUさん蓋あけて。」
「いいけど、水も一緒に飲んでくれよ。日本酒は特に悪酔いするから。」
苺「はぁい。わかりました~。」
俺はしぶしぶアルミの蓋をあける。
「ほれ、どうぞ。ゆっくり飲みなよ。」
苺「いただきますぅ。」
苺女はグビグビと日本酒を勢い良く流し込む。あぁ・・見るに耐えない。
「ちょ!そんな勢いで飲んだら急性アル中になっぞ!」
彼女はなんやかんや言って、彼氏の事が好きだったのだろう。
そしてフラれてしまった事にかなりショックを受けているのだと思う。
苺「うげぇ!このお酒美味しくないばい!」
「・・コンビニの安い酒だからね。居酒屋で飲んだのとはレベルが違うよw」
それでも、カップ酒の半分近くが彼女の胃の中へ消えている。これはもう、危ない結末しか想像できない。
「とりあえずおつまみも食べな。ほれ美味しいチータラだよ。」
俺はチータラを彼女の口の中へと放り込んだ。
苺「うん。これならお酒が進む。グビグビ。」
(逆効果だったー!)
苺「ほらYUさんも食べて!」
苺女が俺の口の中へチータラを強引にツッコむ。指が俺の歯茎に激突して、口の中から鉄の味がする。
苺「なんか・・なんかさぁ、私・・自信なくしたばい。」
(・・お!急になんか来た。)
苺「私ね・・彼氏に結構尽くして来たとに・・あっさりフラれたとよ?」
「まぁ、彼氏に女を見る目なかったんだと思うよ。苺女はじゅうぶん頑張ったやん。それにめっちゃ可愛いと思うよ?(酔ってなかったら)」
苺「ほんと?」
「うん。よか女ばい。彼氏はもったいないことしちゃったね。」
苺「・・じゃあこれからも遊んでくれる?相談に乗ってくれる?」
「おう!もちろん。彼女候補に登録しとく(笑)」
衛生女の名残が残るソファの上で、俺はクソ発言をかます。
苺「もう・・付き合っちゃえばいいやん!」
「・・さすがに別れた当日だし。キミは今とても酔っ払っているるのだよ。」
俺もろれつが回らなくなってきた。
苺女はもっと深く酔っているに違いない。てか目がほとんど開いてないし。
苺「酔っ払ってない!彼女にしてくれんと?」
「じゃあいいよ彼女で。どうせ明日には忘れてるからw」
苺「やったばい!酔っても忘れないもん!」
俺に2人目の彼女(仮)が出来た。きっと明日には、その事実は消えてしまうだろう。
俺は「その事実」を武器に彼女とイチャイチャしようと思っていた。
その矢先である。
苺「う・・気持ち悪い・・。ダメ・・吐く・・トイレ!」
そう言って立ち上がるとダッシュで駆けていく。
「え?ちょ!違う!そこ風呂おおおぉ!」
吐いたらセックスはおあずけ。
押し寄せる吐き気。冷静な判断を欠いた彼女(泥酔者)が向かったのはトイレではなく風呂だった。
俺は「そこはトイレじゃない」と大声で叫ぶ。
(でもね。時既に遅し・・。)
トイレではない場所から「オロロロ!」と小さな音が聞こえてくる。
(仕方ない・・風呂場や洗面台ならまだマシか・・。処理も楽だし。)
福岡に住んで一年。俺は多少のゲロでは驚かなくなっていた。
「・・大丈夫かい?」
俺は恐る恐る事故現場へと入っていく。ツーンとした刺激臭が鼻を付く。
「あっ・・え?」
彼女がリバースしたのは、風呂でも、洗面台でもない。
「嘘だ・・。」
洗面所にある足拭きマット(ニトリ製)の上だった。
苺「ごめんなさい・・ごめんなさい。」
苺女は謝罪の言葉を念仏のように唱えてうなだれている。彼女が着ている「かわいいおべべ」にも、ゲロの痕跡が残っている。
(あぁ・・やっちまったなぁ・・。)
狭いスペースに漂う刺激臭が、ただただ濃い。
俺は一瞬もらいゲロをしそうになるが、ただちに優先すべきは「二次災害」を防ぐことだ。
(すぐ第二、第三の波がやってくるぞ!備えよ!)
人間というものは一度ゲロスイッチが入ってしまうと、一回では終わらないケースが多い。
吐くたびに被害総額は大きく膨らんでいく可能性がある。
紳士であれ。ゲロ処理ができる男は好感度が上がる!
「ここは俺が片付けるから、とりあえずトイレに行こう。」
髪と服にゲロを付着させたまま、彼女をトイレに移動させる。
苺「ごめんなしゃい・・ごめんなしゃい。ゲロロロ!」
案の定すぐに第二波がやってきた。背中をさすりながら落ち着くのを待つ。
(彼女の限界も考えず、濃い酒を飲ませ続けた俺も悪い。)
今日は彼女にとっては色々あった日。精神的なストレスや疲労も、悪酔いの原因になるはずだ。
俺は後悔の念を抱く。彼女の背中をさすりながら。
トイレタンクの下からは生理用品が入った箱が覗いていたが、今はそれどころじゃない。
「水と着替えとってくるから、一人でちょっと吐いててね。」
まずは洗面所のゲロをなんとかしなければならない。
キッチンからビニール袋と、燃えるゴミ袋、そしてガス屋さんがたまにくれる白いタオルを準備する。
そして洗面所に向かい、ゲロを足拭きマット全体で包み込む。
俺の脳内でMISIAの名曲「つつみ込むように」が再生される。
さすが足拭きマットと言うべきか。その吸水力のおかげで、床へまで到達してはいなかった。
そして、ゲロマットをビニール袋の中に入れて「保険」をかける。
さらに可燃ごみの袋の中に投入すれば一安心だ。さらばニトリ!
ゲロの処理を終え、苺女のいるトイレに戻る。彼女は便座にうずくまっている。
まずは髪に付着したゲロを濡れたタオルで拭いてやる。
苺「うう・・ごめんなさい・・。」
「これ、着替えのTシャツ。汚れちゃった上着も洗濯するから、着替えたら教えて。」
苺「・・すいません。うぅ・・頭痛いぃ。」
自らの状況報告と、俺への謝罪の言葉を交互に発する彼女。
(可哀想そうで・・可愛らしい。)
オイラの母性がくすぐられる。
最後に胃腸薬を飲ませ、苺女を布団に寝かせる。
「なるべく横向いて寝るんやで。仰向けでゲロ吐いたら、うっかり窒息死するから。」
苺「・・うーい♪」
この場所に下心は既になく、代わりにお母さんがいた。
テーテテーテーテテテー♪
汚れたシャツの洗濯と乾燥が終わる。気か付けばもう午前3時。
(やっと寝れる・・疲れた。)
俺はソファで眠りにつく。もう苺女に襲い掛かる気力もない。
・・パタン。
物音が聞こえて目が醒める。俺がソファから起き上がると、苺女はすでに部屋にいなかった。
きっと家へと帰って行ったのだろう。
(・・大丈夫かな?ちゃんと仕事にいけるかな?)
そう思ってはみるが、やっぱり睡魔には勝てない。俺は再び眠りについた。
正午過ぎ、やっと目が覚める。
携帯をチェックすると、苺女からメールが届いていた。
メールの中の彼女は素に戻っていた。
そして、彼女から「好感度」と「紳士」としての地位をゲットしたのだ。
・・だけど「これからよろしくお願いします。」が妙に引っかかる。