「犬ぞり」・・その響きたるや、なんと体育会系なのだろう。
「どんなソリなのかしら?ムチは使うの?」
俺も全く説明できない。だから「犬ぞりとは何か?」ウィキペさんから引用させていただこう。
馬に代表される主要な使役動物(トナカイを例外とする)が棲息可能な限界を超えた高緯度地域にて、人間や荷物を運ぶ目的をもって発展した。
近代以降では、比較的低緯度の地域でも積雪地帯であれば、娯楽的用途を含めて導入されていることが少なくない。
「え~!漢字が多すぎて、よくわかんな~い。」
そう思った人も多いのではないだろうか?だから実際に体験してきた。
これは、とあるカップルが、バレンタインに北海道で犬ぞり体験した話である。
犬が!ソリが!俺たちのハートに食らいつく!
今日はバレンタイン。カロリーには気を付けて。
「旅館の朝ごはんってさ、なんでこんなに旨いんだろう・・無限に食えるわ。」
朝飯を食べ終え、満腹になった腹をさすりながら部屋に戻る。
「・・ん?なんやこれ?」
テーブルの上には、華やかな色をした袋が置いてある。いつの間に?さっきは無かったぞ。
彼女「ふふっ・・開けてみて♡」
「こ、これは・・?」
中からは、赤い箱。
さらにその中からは、なんだかオシャレなチョコレートが出て来た。
YUTAROの地元名古屋では「chocolate」と発音する食べ物だ。
彼女「ハッピーバレンタイン!いつもお世話になってます。」
「あ、ありがとう。めっちゃ嬉しいよ。」
嬉しいけれど・・タイミングが悪い。俺の腹は12分目に到達していた。
今回ばかりは、旅館の朝食が憎い。うますぎるもん。
そして、この流れ・・きっと、あの言葉が来る。
彼女「ねぇねぇ、チョコ食べてみてよぉ~♡ あたしね、いっぱい悩んでそのチョコにしたの♡」
(やっぱきちゃったー。♡まで付けてきちゃったー!)
「・・いただきます。バリバリ・・。」
「うまーい!なにこれ、うんまーい!」
ゲフ―!!
俺はおおげさに茶番を演じながら、三個ほどチョコを胃袋へ押し込んだ。
体内ではカロリーのビックバンが起こっている。
南富良野で犬ぞりをする
外気温はマイナス15度と低いが、天気は快晴だ。
「今日はちょっと暖かいね。」
北海道の体感温度は、お天道様のご機嫌によって、大きく左右される。
俺たちはしばらく無邪気に雪遊びをした。
そして、コスプレをしたら鹿が逃げたホテル「ラーチ」を後にした。(スイマセン)
彼女「ねぇ、これからどこ行くの?」
「犬ぞり・・。」
彼女「??どういう意味?」
「犬ぞり・・。」
今日がバレンタインデーであることは、百も承知だ。
だけど、「バレンタインのお返しは、ホワイトデーだよね!」という日本生まれ、電〇育ちの風習に飲まれるのもバカらしい。
もしホワイトデーが面倒くさいとか、うっかり忘れてしまう男性陣は、バレンタインを彼女と一緒にやってしまうのも一つの手だ。
むしろそっちが正しい。ホワイトデーは電〇と資本主義の仕業なのだから。
だから、俺は彼女に「犬ぞり」をプレゼントすることにした。
そして、サプライズを演出するため、道中は「犬ぞり」としか喋らなかった。
彼女「またアホになったのかな?まあいいや・・。」
彼女もあきらめたようだ。しめしめ。
「さあ、ここが犬ぞり会場さ☆」
彼女「・・え!マジでやんの?お外めっちゃ寒よ?」
俺が企画したサプライズに対する反応は「お外めっちゃ寒いよ」だった。あぁ涙が一瞬で凍っていく。
※郵便ポストがヤバかわいい。
俺たちの目の前には、怪しい小さな小屋がある。ここが犬ぞりの受付所だ。
犬の遠吠え。かすかに香る獣臭。正直、とってもビビってる。
「おい、おまえから入れよ。」
彼女「あんたが予約したんでしょ?」
「せーの!」
俺たちは気合を入れて、小屋のドアを開けた。
「おはようございます。犬ぞり体験を予約したYUTAROと申しますけども~。」
小屋の中には、屈強な道民男性が二人。
その二人を見た瞬間、俺は悟った。
この男たちには力で勝てないと。・・彼女だけは守らなければ。
屈強な道民「やぁやぁ、お待ちしてました☆」
「ど、ど、どうも。今日はよろしくお願いします。」
屈強な道民「今日は天気も良いし、雪も最高のコンディションですよ♪しかもお二人の貸し切りです。」
その瞬間、俺は悟った。・・コイツらめっちゃ良い人だと。
そんなこんなで、俺たちは屈強な道民から犬ぞりの説明を受け、ついでに記念撮影をした。
俺はスノボウェアに着替え、彼女はレンタルのスキーウェアに着替える。
さぁ、ワンちゃんたちとご対面だ。
犬ぞりのワンちゃんは思いのほかデカい
「まずは犬たちとコミュニケーションをとってもらいます~。」
犬ぞりの先生(若い女性)に導かれ、俺たちは大きな犬小屋へと連れていかれる。
想像した以上にたくさんの犬が待ち受けていた。
(犬めっちゃデカいやん。・・さっきの道民たちより強そうじゃないの。)
トイプードルではソリは引けないという事か・・。コイツらが本気を出したら、一瞬で喉元を噛みちぎられるに違いない。
彼女「ねえ、この子めっちゃカワイイよぉ~ 甘えん坊さんだねぇ~。」
「お外めっちゃ寒いよ」と言っていた彼女のほうが、よっぽどノリノリだ。
凄まじい勢いでデカ犬たちと仲良くなっていく彼女。すっかり手なずけている。
彼女「ほら、YUちゃんも撫でてみなよ。」
「ヒェッ・・噛まない?・・じゃあ小さいのから。」
なんか、めっちゃ迷惑そうな犬さん。最終的にはペロペロと舐めてくれた。まさか、ワンちゃんが忖度されるとは・・。
そんなこんなで俺たちはワンコたちと馴染みまくった。
先生「それでは出発しますよ~♪」
先生は犬ソリの扱い方や、ソリ引くワンちゃんの名前を一匹一匹教えてくれたが、俺はすっかり忘れてしまった。
そもそもカワイイ先生の名前すら憶えていない。だから写真でなんとかしようと思う。
シャー―!
森に囲まれた一本道を犬ぞりは進んでいく。「ハッハッ!」という犬たちの荒い息遣い。先頭を走る犬はたぶんリーダーだ。
俺たちは犬たちに声をかけながら支持を送る(確か)思った以上のスピード感と一体感。
シャー―!
ところどころでワンコのトイレ休憩。たまに人力も必要で意外とハードだったりする。
訓練されているとはいえ、やはり生き物。効率の悪さも楽しみの一つ。
そんなこんなで写真で誤魔化しつつ、俺たちの犬ぞり体験は終わった。
彼女「楽しかった~寒さなんてすっかり忘れちゃった♪」
「そう!その言葉を待ってた!」
俺のサプライズも報われたようだ。良かった。
お世話になった犬ぞり一家に別れを告げ、車は札幌に向けて走りだす。
彼女「ねぇ、ワンちゃんが見送ってくれてるよ!」
「おお!なんかウルルン滞在記みたいだな。」
彼女「まだついてくるよ!連れてかえっちゃう?」
「・・それはダメです。」
※あまりに雑なので、犬ぞり体験したお店とかも後で調べておきます。潰れてませんよ~に。
※たまにしかない爽やか回でした~。もっと爽やか回が欲しい人はリクエストください♪時間ができたらライブドア時代に書いた日記にも写真つけときますね。