写メを見てもらうの大好き!でもその写メは止めとけ!
写メとかプリクラとかを人に見てもらうのが好き。
そんな現代っ子のキャピ子。
盛り上がって彼女が見せてくれたのが「5年前の高校時代の写メ」である。
「こ、これは・・誰?」
俺は携帯の画面と彼女を交互に見る。
「本人だよね?」
キ「もちろんワタシですよお・・。」
見せられた写メにはツッコミどころがいろいろありすぎて・・どこから手をつけていいのやら?
「髪・・短髪やん・・。」
彼女の髪は今のようなサラサラのボブヘアーではなく、バッサリと尖った短髪だ。
キ「短髪とか言うのやめてくださいwショートカットですw」
「運動部だったのかな?」
変わった色に染められた彼女の髪の色を見るに運動部ならエース級だ。
キ「違いますよお~運動苦手だし。」
うん。運動は苦手そうだ・・。
「それにしても・・や・・や。」
キ「え?」
俺はその言葉を口にするかどうか迷った。
でもブレーキが効かない。
「キャピ子って昔ヤンキーだったの?」
スカジャン姿がよりヤンキーっぽさを演出している。
キ「・・・・・・・。」
「ほらこの写メ・・ちょっとヤンチャそうやん?」
キ「・・・違いますよお・・。」
「え?なんかめっちゃ強そうだし。」
携帯の画面に映る彼女からは神取忍っぽい何かを感じた。男前だ。
キ「この頃は目も一重だったんですよね~メザイクしてたら二重になったんです。」
確かによく見ると目が一重である。(今はくっきり二重)
ちなみにメザイクとはアイプチ的なヤツである。
「うーん女の子って変わるもんだねえ。おじさん関心しちゃった。」
キ「この頃は化粧もほとんどして無かったですからw」
俺は一瞬「整形したの?」と思った。だって原形ねえもん。
だが彼女がこの写メを「あえて」見せてくる辺り嘘を着いているようには見えなかった。
ちなみに痩せていたかどうかだが、確かに痩せていた。
いや・・「今よりは少し痩せてた」が正確だろう。
今がポッチャリだとすれば、ちょいポチャくらいだ。
居酒屋ではその後、彼女の顔をじっと見つめて「本当に本人?」と思いながら酒を飲んだ。
変化とは凄まじいものである。
キ「じゃあここで失礼します。ご馳走様でした。」
「うん。気をつけてね。寒いからちゃんとお風呂入るんやで♪」
彼女は再びJRの改札に消えていく。その姿を俺はぼーっと見つめた。
今日のアポジャブ程度だ。次回はもっと深い仲になれるに違いない。
キャピ子は礼儀正しく明るい性格の女の子だった。
でもなぜあの写メをチョイスしたのだろうか?
俺の脳裏にしばらくの間「神取忍」がチラつくのだった。