俺は幹事!イケメン連れてコンパに向かった
6月も半ばになり、梅雨のジメジメとした湿気が肌にまとわりつく。Facebookの「浮気バレ騒動」も落ち着き、平和な時を過ごしている。
そして今日はビッチ女と俺が幹事の「飲み会という名のコンパ」だ。クズな俺はつまみ食いを期待しているのだろう。
ビチ「可愛い子連れてくるからちゃんとイケメン君連れてきてよ。」
そうビッチ女に半ば強引に日程を決められた。彼女の場合LINEの文章からも『ヤル気(性欲)』が伝わってくる。
彼女は見た目、性格ともに雰囲気が肉食すぎるのだ。身体からフェロモンがダダ漏れになっているような気さえする。男性陣が引かなければいいのだが。
男性陣は遊び人のイケメン二人+ハゲ
午後8時。俺たち男性陣は、警固の交差点にあるコンビニに集合していた。
「うっすお待たせ!」
イケ「YUさんおつかれーっす!」
ダラ「どもども!」
[box class=”box3″ title=”男性陣戦力”]YUTARO:この日記書いてる人。中年のハゲ。
イケ男:福岡の友人で遊び人。日記でもたまに登場する。めっちゃイケメン。前回のコンパでは女の子をいきなりハプニングバーに連れていく剛の者。
↓イケ男の話↓
⇨ネットで知り合った初対面の女とコンパ。めっちゃ〇〇が現れた。
⇨福岡のオシャレ相席バー「JIS」を体験!お持ち帰りできるか?
ダラ男:口元がダラしないイケメン。胃腸が悪いのか細いし白い。
[/box]俺以外は初入店のキャバクラでキャバ嬢をアフターに連れ出す強者のモテ男達だ。
イケ「女の子とは何つながりなんですか?」
ダラ「どんな子が来るんですかね?」
コンビニの灰皿横でタバコを吸いながら二人から質問を受ける。
「うーん。今日の幹事とは出会い系で知り合ったんだよ。」
基本的に仲の良いイケ男にはなんでも話せるので、ここはしっかりと伝えておく。
「その子に同じこと聞いたら、バーで知り合ったとか言うかもだけどw一人は超肉食系女子ですわ。あとは知らん。可愛い子呼ぶとは言ってたけど・・。」
イケ「うわあ。なんか面白そうですねw」
「まあ・・何があっても楽しく飲もうよwブス来ても途中で帰るなよ。」
そんな感じで一致団結を確認しつつ。俺が予約した、大名の小洒落た居酒屋へ向かった。ここがコンパの戦場となる。
男性陣は店に入る。女の子達はまだ到着していない。ビッチ女にLINEで確認すると10分ほど遅れるらしかった。
「先に一杯やっちゃいますか?」
イケ「そうっすね。」
男三人ビールで乾杯する。基本全員が揃うまで待たない。先にやっちゃったほうが、遅れてきた人も気を使わなくてすむからだ。・・という言い訳だ。
男性陣で談笑していると、
「YUちゃんお待たせ~♪」
と妙にねばりっ濃い声が聞こえてくる。ビッチ女率いる、女性陣の到着である。
女性陣の登場。グラスがぶつかれば始まりの合図。
ビッチと魔性の女と清楚系
ビチ女が率いる女性陣が到着した。いよいよコンパの始まりだ。頭の中で陣貝の音が響く。女性が男の隣に座るように、席は一つずつ空けていた。
(この・・こなれた感よ。)
最初からそういう一手間を加えるあたり、イケ男とダラ男はただのイケメンではない。
合コンに関しては、毛が生えた程度の実績しかない俺からすれば、こういうあからさまな行動は、ちょっと恥ずかしい。
靴を脱いで小上がりへと上がってくる女性陣を男性陣はじっと見上げていた。
「あっあれ?・・あれ?久しぶり!((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル」
魔女子「わあ!YUちゃん久しぶりだねえ~」
次に現れたのは、魔女子である。前回と同じく登場でござる。
ビッチ女がコイツを連れてくるということは、「とりあえず魔女子とヤッとけ!」ということなのだろうか?
この頃の俺は、女の「貞操観念」なんぞはまやかしである。・・という真理にたどり着いていた。
ただ狭い福岡で既婚者とのアヴァンチュールは怖い。
早速、微妙なテンションになりながらも、3人目が座敷へと上がる。ビチ、魔女の二人に比べるとアクがなく、普通に清楚そうで可愛らしい子だった。たぶん20代前半おそらく一番年下だろう。
(僕・・この子がいい・・。)
そう思ったが、イケ男と俺に挟まれるように座ったのは魔女子だった。
[box class=”box3″ title=”女性陣戦力”]ビッチ女:出会い系で知り合った百戦錬磨の超肉食女子。貞操観念は無いに等しい。セフレが何人もいるが彼氏ができない哀れな子。見た目はドS、中身はドM・・らしい。
魔女子:見た目はかなりの美人さんなのだが、ビッチである。若干お年を召されている。前回は二次会のカラオケ屋のトイレで抜いていただくというトラブルが起きた。実は既婚者。『後先何も考えていない』魔性の女。
後輩子:ビッチ女の後輩。唯一の清楚系で見た目も若い。ただ彼女の友人というだけで一癖ありそう。
[/box]魔女「ふふっ♡こんばんわ~よろしくね。」
イケ「どうも!よろしくです!」
・・距離が近い。そして香水に混ざってメスの匂いがする。
ビチ「YUちゃんちょっと・・」
ビッチ女に小声で呼ばれる。
ビチ「魔女子さんが結婚してることはみんなにも内緒だからね・・」ゴニョゴニヨ・・
「は、はい・・。」
カンパーイ!あちこちでグラスのぶつかる音が聞こえる。地雷原はすぐ近くにあるのだ。
コンパスタート。イケメンがコミュ力の高すぎて勝てない
「彼はイケメンのイケ男君で、イケメンなのにイケてる仕事をしてるんだ。もう嫉妬しか生まれないよね。」
イケ「どうもイケ男です。宜しく」
「えっとコイツはダラ男で、顔は良いけど口呼吸しか出来ないから、ちょっと口元がだらしないんだ。」
ダラ「もー!YUさんちゃんと紹介してくださいよー!」
ビチ「えー大丈夫?ダラ男さん鼻が悪いの?」
ダラ「ちょっと真面目に受け取らないでくださいよー!」
ビチ「えっとこの子は魔女子さんで私の先輩。すっごい美人でしょ?」
魔女子は「ちょっと!」とビチ女の肩を叩きつつ美人と言われてまんざらでもなさそうだ。
イケ「ほんと美人さんですねえ。」
こんな感じで幹事同士は一通りメンバーの紹介をしていく。
それぞれが、なんとなく「場慣れ感」を醸し出しており、みんなコミュニケーション能力が高いせいか、あっという間に盛り上がる。
ビチ女も魔女子も後輩子も楽しそうで、ドリンクのおかわりがどんどんオーダーされていく。
距離を縮める「肌当てクイズ」
30分後。イケ男がお得意の『肌当てクイズ』なるものを開始する。肌当てクイズの内容は、
- 女性に目をつむってもらう。
- 女性の手の甲に男性の手の甲をなすりつける。
- どの男性の肌が気持ちいいか決めてもらう。
これなら誰も傷つかないし、王様ゲームのようにわかりやすいゲスさがない。さすが、ワンセットだけでキャバ嬢をアフターに連れだす男だ。ちなみに誰の手だったかは当てない。
イケ「肌が合う人はエッチの相性がいいんですよ。」
1人ずつ男性の手の甲を女性陣にこすりつけていく。俺はなぜかビッチ女に選ばれてしまう。
(マジかよ・・俺たち相性いいのかよ。)
開始から一時間が過ぎた。
イケ男は魔女子の首を、吟味するようにエロティックに触っている。首フェチの彼は、どうやら魔女子の首がお気に召したようである。
魔女子は今にも吐息を漏らしそうに気持ちよさそうに触られていた。既に俺のほうをほとんど向かなくなっている。
(ソイツ既婚者やで?)
とイケ男伝えたかったが止めておいた。ダラ男と後輩ちゃんは、何やら二人きりでひそひそと話し込んでいる。
(あれれ~?おかしいよおお?)
余っているのは・・・ビチ女と俺だけだった。
「よし・・そろそろ二次会でも行きますか?」
ビチ「そうだね!そうしよ!」
女性陣の中で決定権のあるビチ女は、俺の提案に真っ先に乗っかってきた。せっかくなんで彼女にもスポットライトを当てて欲しい。
イケ「良いですねえ~みんなで落ち着いてお酒飲める所にいきましょ。」
「どっか知ってる?」
イケ「ここから少し歩いたらバーがありますよ。そこ行きましょうか。」
「よし!そこに行こう。」
俺たちはバーへと移動する。幹事としての役割は果たした。俺はそろそろ帰りたい。
誰を落とす?欲望と駆け引きのコンパ二次会
3人の男と3人の女は、二次会会場のバーに移動する。
イケ「いやあ・・魔女子さんってキレイですねえ~僕好きな顔っす。」
移動の道中にイケ男がこっそり俺に報告をしてきた。
彼は『整った顔』の女性が好みで、可愛い系が好きな俺とはタイプが被らない。彼とは長い付き合いになるが、会うたびに違う美人を侍らせている。○ねばいいのに。羨ましい。
「それは良かった!せっかく知り合ったんだからLINE交換でもしちゃいな!」
イケ「俺・・LINEやって無いんですよw」
そうだった・・彼は大のSNS嫌いだった。いろんな女性と遊んでいるのでSNSは危ないらしい。
ダル男はまるで二人きりの世界と言わんばかりに、後輩子をマンマークしている。本当、○ねばいいのに。
たどり着いたのは赤坂にあるお座敷バー(勝手に名付けた)だ。1次回の席次を崩さないように俺は端っこに座り、間に後輩ちゃんを座らせる。その隣にはダル男だ。
テーブルを挟んで向かい側は、イケ男を挟むようにして、ビチ女と魔女子が座った。各メンバーは洒落た飲み物を頼んで、2次会は始まった。
俺だけ空気?凄い疎外感
ダル男はマンマークを崩さずに、後輩ちゃんと話し込んでいる。もう少し先輩にも気を使って欲しいものだ。
ビチ「うわあ・・胸板厚い~熱い~♪」
ただ、ビッチ女はご機嫌な声でイケ男の胸にボディタッチをしまくっている。羽織っていたカーディガンを脱いで、巨乳アピールまで行っている始末だ。
(お前・・わかりやすいなあ・・。)
そこらへんは気遣いのできるイケ男である。ビチ女と魔女子を手球にとりながら、場を楽しませている。
(なんだ?このあからさまな光景は?この疎外感は・・?帰りたい。)
男としての能力の違いをマジマジと感じさせられながら、俺は空気となった。酒を飲んでは笑顔で相槌をうつだけの作業だ。
そんな状況で時間だけが過ぎていく、時計は0時を回っている。
「明日早いんでもうそろそろお暇しても良かですかね?」
俺は充分我慢した。
女達が簡単にお持ち帰りされる
イケ「あら!珍しいっすね。じゃあ今日はお開きにしますか?」
ダル「そうですね。」
ということで辛すぎるコンパはお開きになった。各々タクシーを拾うために通りに出る。一番最初に通りかかったタクシーをイケ男がすかさず停めた。
そして魔女子手を引き、タクシーの中へと押し込んだ。
(・・一体何が起こった!?)
まさに一瞬の出来事である。イケメンのクセに手際が良すぎるだろう。
イケ「僕、彼女を家まで送って行くんで・・今日はありがとうございました。」
「ああ・・おやすみ。(家には旦那がおるぞ?)」
ダル「じゃあ僕も後輩ちゃんを送っていきます。」
「ダル男!オマエもか!(一番いいとこ取りやがって)」
店を出て、僅か数分の間に登場人物のほとんどが消えた。
取り残された幹事達。俺たちはどうする?
ビチ「・・・。」
「・・なんか一瞬だったね。」
ビチ「うん。」
取り残されたのは幹事の二人である。
「どうする?まだ終電あるんじゃない?」
ビチ「私もタクシーで送ってってよ!」
せめてお持ち帰りされた他の女達、建前上だけでも同じにしたいのだろうか?
「お前んち遠いからヤダ。往復なら余裕で一万円超えるわ。」
ビチ「じゃあYUちゃんち泊めてよ。・・なんならヤッとく?」
「アホかw遠慮しとくわ・・。泊まるのは別に良いけど。」
ということでビチ女は俺の家に泊まることになった。結論から言えば、彼もちろんヤッてない。
これがきっかけで終電が無くなるとビッチ女は俺の家に泊まりに来るようになった。・・もちろん一度もヤッてない。
(今回のコンパ・・俺になんのメリットがあったのか?リスクを負っただけじゃない?)
イケメンを手玉に取る魔性の女
さて、イケ男である。彼はあの後、魔女子とホテルに直行してアヴァンチュールを楽しんだそうだ。
それを朝方にスッピンのビチ女から聞かされる。これで彼と俺は「兄弟的なポジション」になった。
ビチ「魔女子さんさっきラブホテルから出る時に、イケ男君から連絡先聞かれたらしいけど、教えなかったんだって・・面倒くさくなるからって言ってたw」
さも楽しそうにビッチ女は言う。それにしてもイケメンすら手球に取るとは・・上には上がいるものだ。