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あの子からの「会いませんか?」に波乱の予感

歳の暮れ。まさかの人物からお誘い

クリスマスも無事に終わり、今年も残すところあと僅かだ。

正月は地元の名古屋に帰ることになった。

福岡に住んでからというもの、実家にはほとんど帰っていない。

親不孝息子としてはせめて正月くらいは、顔だけでも見せておきたいものだ。

ネットで航空券を注文して、キャリーバックに衣服を詰め込む。

準備をあらかた終えると換気扇の下でタバコに火をつけた。

そして、いつものクセでケツポケットから携帯を取り出して開いた。

 

「お・・」

 

メールの送り主を見て俺は驚いた。メールは筑紫女からだった。

彼女からの告白を断ってからというもの、連絡はほとんど取っていない。実に3ヶ月ぶりである。

筑紫女前回の話し⇨真剣1 もう一つの告白への答え

 

(ど、どうしたんだろう・・。)

 

筑「YUさんお久しぶりです。元気にしてますか?」

「久しぶりやね。元気にしてるよ。筑紫女は元気にやってる?」

筑「はい元気です。年末年始は何してるんですか?」

「30日に実家に帰る予定だよ。正月は地元で過ごそうと思って。」

筑「良いですねえ。きっと親御さんも喜びますね。」

届くメールの内容から、彼女の「育ちの良さ」と「性格の良さ」が現れている。

「筑紫女はどうするの?あっ・・実家暮らしだったね。」

筑「はい。だからお正月もあんまり代わり映えしないかな。」

「旅行は行かないの?連休でしょ?」

筑「今年は夏にスペイン行っちゃったんで金欠なんですよw年末はものすごく高いし。」

常にターゲットが海外という・・。

「確かに・・お正月はどこも高いよね。」

結局なんの用なのか・・。

彼女が連絡してきた理由を聞き出せないままメールのやりとりは続く。

筑「近いうちにご飯でも行きませんか?久しぶりに会ってみたくて。名古屋に帰る前か、帰って来た後でも良いので。」

「んん?良いけど・・。」

 

衛生女には悪いがご飯くらいなら良いだろう。

こういう「安易な考え」がいろいろとトラブルを招いているのかもしれない。

筑「わあ!嬉しい!いつが良いですか?」

「じゃあ明後日の29日は?」

筑「YUさんが帰る前の日ですけど大丈夫?」

「まあ・・早めの時間だったら大丈夫だと思う。」

名古屋に帰る前日であれば酒に飲まれて無茶なこともしないだろう・・。

ダメな自分なりにブレーキをかけておく。

筑「わかりました!じゃあ29日の午後6時とかどうです?」

「6時とか筑紫女は仕事とか大丈夫なの?」

筑「明日から年末年始の連休なので大丈夫です。じゃあ天神に6時待ち合わせで。」

「OK。」

筑「では当日にまた連絡しますね。」

筑紫女と普通にやりとりをしてしまっているクズな自分・・。

彼女に対しての罪悪感を吐き出すかのように、ふうっとタバコの煙を撒き散らした。

そして煙はあっという間に換気扇の中へと吸い込まれていった。

 

続く➡「良いお年を」彼女を見て俺は誓う