パワーを溜めるぎると、逆にパワーあたりするかも?
皆さんは、大人になってから、うっかり「漏らしてしまう」ことはあるだろうか?
YUTAROの日記をよく見てくれている人は、ご存知だと思うが、俺は昔から胃腸が弱い。
大小兼ねて年3回ペースでやらかしてしまう。慣れたもんだ。
そのトラブルのほとんどが、自分の家の中での出来事だ。
「ちょっとオナラでる・・え?あっ!!」
意識や肛門や尿道が緩みきっているリラックス状況で起こる。
しかし今回はそうではなかった。
「さて、いきまっか!とりあえず貸切風呂もいくつか調べたし。ダメだったら適当な温泉に入って帰ろうぜ。」
やはりカップルと言えば貸し切り湯だ。旅行先で手軽に二人だけの世界を味わうことができる。
九州では、温泉地が腐るほどある。
所々で温泉が湧き出ており、最近では家族風呂(貸切風呂)というものが定着してきている。
大きい大浴場ももちろんいい。
しかし包茎の俺は、この小じんまりとした貸し切り湯をこよなく愛している。
衛「・・運転大丈夫?」
「おう!パワースポット巡ったせいか、すこぶる調子が良いぜ!今日はいろいろ頑張っちゃうかもよ?」
衛「・・んもう・・。」
ちなみに高千穂の天岩戸神社の「パワー」はすこぶる凄いらしく、やりすぎコージーという番組で「ハンパな気持ちで参拝するのは危険!」と紹介されている。
明日あたり湯あたりならぬ、「パワーあたり」になるのかもしれない。
そう考えると天岩戸神社の駐車場の誘導員さんや、お土産屋のおばちゃん、そして神社の神主さんは、溢れ出るパワーで5倍くらいに大きくなっていてもおかしくない気もするのだが、温泉地に住んでる人がその温泉で湯あたりしないのと一緒で、きっと「パワー慣れ」しているからだろう。
「まあパワスポとか結局さ、都市伝説なんじゃね?」
阿蘇へと向かう途中の「寧静(ねいせい)ループ橋」を通過したこの時点では余裕をぶっこいて笑っていた。
とりあえずの目的地は熊本県阿蘇市だ。高千穂からは北西に位置している。
阿蘇には、牧場、ゴルフ場や、パン君のいる動物園「カドリー・ドミニオン」。「阿蘇ファームランド」などの総合レジャー施設なんかもたくさん存在する。
そして活火山である「阿蘇カルデラ」の周辺に街があるため温泉も豊富だ。
325号線(田原バイパス)を阿蘇方面へと走っていると、妙にお腹に違和感を感じる。
そしてキュルルとお腹がなった。
(・・・もしや・・?)
昼飯にそうめんとニジマスを食って、すぐに河原まで動いたせいだろうか?
帰りに冷たいソフトクリームを平らげたからかもしれない。
パワースポットを巡りすぎて、膨らんでいるだけかもしれない。
だがこれは「ヤツ」がくる感覚に近かった。ただ確信がもてない。
ただ単に「ガス」が溜まっているだけの気もする。
コンビニはしばらく無さそう。
だが執行までの猶予期間は、まだまだ長そうだった。
さらに進むと小さな街が見えてくる。
ここは白川水源で有名な阿蘇郡玉森町だ。阿蘇山の南側に位置する。
「お!コンビニあるわ。ちょっとトイレに寄ってっていい?」
どちらにせよ元凶になりそうなものは処理しておいたほうがいい。それがクールに生きるというものだ。
コンビニの駐車場に車を停める。
俺はゆっくりと、余裕のある所作で、車を降りた。
(あ・・屁が出そう。外だし、ちょうど良かった。)
少しだけ・・ほんの少しだけ腹とケツに力を入れる。
プシッ!!
「あっ・・・。パワーでちゃった・・?」
ここは家ではなかった。油断をすれば、背後から切られる。それが過敏性の宿命。
幸か不幸か目の前は、コンビニである。
「ち、ちっとゴミ捨ててくるわ・・。」
俺は車内のゴミを捨てるふりをして、車の中にあったビニール袋をこっそりと、ズボンのポケットへと忍ばせる。
トランクスだったらアウトだった。
人としてはもうアウトだけど。