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再開は思ったよりも早く訪れた。

夏の終わり。彼女はチャリでやって来た

8月21日。今日は日曜日(仏滅)である。

一緒に沖縄に行った彼女候補の最右翼、筑紫女は帰ってきてからまだ一度も会えていない。

盆明けから1週間の出張が入り、今は有給を取って海外に行っているらしい。

それだけ融通が利く仕事も珍しい。

「お土産買ってきますね♪」

・・と言い残して彼女との連絡は途絶えた。会えるのは9月の初めになりそうだ。

 

ということで今の俺はすこぶる暇だ。

そんな俺が魚女と再会する日は思ったよりも早く訪れた。きっかけは料理の話からだった。

彼女と最初のデートの後、

「明日仕事あるんで~♪」とあっさりと帰られてしまったので、このままフェードアウトされてしまうと思った。

・・が。

「ただいま~今からご飯です!」

「今日のアメトークやばいw」

などと魚女から届くメールの回数は明らかに増えていた。

おそらく嫌われてはいないし、最初のアポで紳士ぶってグチを聞いていたので少し信用されたのだと思う。

ホントはおっぱいとか突きたかったのだけど止めといて正解だった。

そんな感じで彼女の仕事のグチやいつも見ているTV番組の感想などを「今日の出来事」をメールでやりとりしていた。

「どうでもいいメール」が多いのは、きっと親しみのバロメーターだ。

そして一昨日。

「俺が作ったパスタがマズすぎて死にたい・・。料理のセンス下さい。」

パスタを不味く作るという普段あまりない失態をした俺は彼女にメールを送った。(けど他の子にも送った。)

魚「ええ!どうやったらパスタなんて不味く作れるの?鍋の前で寝てたの?」

・・おっしゃる通りだ。

自炊歴は長いものの、俺の「男飯レベル」は一向に上がらない。

「もうなんとでも言って・・ちょっと泣くから。」

量だけは一丁前に多かったせいで、半分以上の麺が皿の上で横たわっている。

魚「じゃあ私が料理の作り方教えてあげます!」

「おお!魚女って料理できる系の子なの?」

魚「家で作るレベルならだいたいの物作れますよ!」

な、なんと?

そこまで言い切るとは凄い自信や。

きっと親御さんの教育が素晴らしいのだろう。

「それは僕ちゃんにご飯を作ってくれるということでっか?」

魚「いやいや・・教えるんだからYUさんと私で一緒に作るんですよ~w」

なにそれ・・楽しそう。

「料理レベルが上がるならありがたいことです。」

ひょんなことで彼女が家に来る。

我ながら神がかったナチュラルさだ・・。

午後7時。俺は美野島サニーの入り口で待機していた。

サニーは九州に展開するスーパーで、本州であれば「西友」のことだ。

サニーと西友のCMは一緒だったりする。(名古屋に帰った時に気が付いた)

「おせえな・・。」

蚊がふくらはぎの周りを飛び回って、隙あらば俺の血を奪おうとしている。

(俺の血液ドロドロだできっとうまいよ。)

「お・・!来た!」

魚女がライトをちらつかせ、小さく手を振りながら近づいてくる。

彼女はチャリでやって来た。大きなカバンを持って。

少し目を離したうちにふくらはぎが物凄くかゆい。

 

続く➡君が俺に教える料理がハイレベルだわ(名前的に)