いきなり会うのは不安だぜぇ!
「いきなり会おうとかわがまま言っちゃったけど・・大丈夫かな。寝起きは怖い・・。」
俺は待ち合わせ場所に向かっている途中で反省した。
「魚が食いたい!」と思いつきで誘ってみたものの、よく考えるとかなりの無茶ぶりだ。
お盆やGWなんかの連休は、暇をもてあそんでいる子も多いので、相手とのメール期間が短くてもデートやご飯までの話が早いかったりする。
それでも相手とメール開始して次の日がせいぜいだ。
「いきなり飯にいこう!」なんて相手の都合も考えない男はアカン!STOPわがまま。
向こうも今頃、
「ヤベぇヤツに捕まっちまった!めんどくさいから適当に話を合わせてすっぽかしちゃお!」
なんて考えているかもしれない・・。いや・・きっとそうだ。
アポを切り出すのはせめて会話が盛り上がってから
たまにはちょっと攻略的な話を・・。
出会い系では今回のように「いきなり会う」というケースは稀だ。(割り切りは別)
「いまから会えませんか?」なんて短文メールを送りまくっているヤツがよくいるが、これでは結果は出ないと思っていい。
出会い系=スグ会えるツールと勘違いしているのだろう。まずは自己紹介的なファーストメールを送って返事をもらうことが先決。
そして相手との話を盛り上げることが大事。これを欠いていきなり「会えますか?」なんて言っても相手が食いついてくるわけがない。
今回のケースは、アポまでの時間は短かったけど、
- 寝起きでテンションがおかしかった
- 返事が来なくて投げやりだった
- メールが相手のツボに入った
- 早い段階で話が盛り上がった
- 相手がすげえ暇だった
といつもと違う流れなわけであまり参考にならない。
でも「いまから会えますか?」野郎とは決定的に違うのがちゃんと会話が盛り上がった点だ。
結果が出ないという人は、アポの話はとりあえず置いておいて、まず相手との話を楽しむつもりで盛り上げていこう。
デートの話をするのはLINEを交換してからゆっくりでOK。
「いまから会おう」は絶対に止めておいたほうがいい。
精神不安定の俺は待ち合わせ場所へ着く
魚女が来なかったで仕方ない・・一人で飯を食おう。
一方的に誘っといて、勝手にあきらめるおじさんは、そんな感じで待ち合わせ場所へと到着した。
時間はもうすぐ午後8時になろうとしていた。
待ち合わせ場所は少しローカルな所で、清川2丁目にあるファミリーマートだ。
隣には「スタミナ亭」という大きな焼肉屋がある。逆隣には少し古いラブホテルがあるなどちょっとカオスな状況になっている。
肉の香ばしい匂いと焼ける匂いが鼻をくすぐる。
「ああ、腹減った。お肉もいいかも?」
とりあえずコンビ二入って雑誌を読む。
この辺りはお水商売の人も多いので、「出勤ですか?」な感じの嬢やお盆休みでパジャマモードで彼氏と買い物の方や、ちょっとガラの悪そうな人などでコンビ二は賑わっていた。
(うおお・・これはちょっと待ち合わせ場所には向いてない所だぜ・・。緊張する。)
雑誌を持つ手が震える。
相手の顔もわからない状況でこれだけ出入りが多いとパニックだ。
「落ち着け・・恥ずかしくない・・。とりあえずヤングジャンプに集中するんや。」
その時ポケットで携帯がバイブする。グッドタイミングだ。
「ひぇ!」
震える手で棚に雑誌を戻した。そして携帯をチェックする。
魚女「着きましたよ。もう着いてますか?」
おお!すっぽかさずにちゃんと来た!
俺は彼女の誠実な心に感謝した。
「僕も着いてます。どこにいますか?」
さっきまでのイカレたキャラクターと別人だ。
魚「ファミリーマートの店の前あたりです。真ん中あたりです。」
んん?もしかして目の前の子?
店のガラスを挟んで、目の前に女性が立っている。
「もしかして目の前にいるかも?後ろ振り向いてみてくださいな。俺帽子かぶってる人。」
すっと目の前の女が振り向いた。